スマートウォッチの定番と言えば、やはり「Apple Watch」でしょう。優秀な他社製品もたくさんありますが、多くの人がまず思い浮かべるのはApple Watchです。
「スマートウォッチだとApple Watchが有名だけど、Androidスマホとの組み合わせでも使える?」
このような疑問を持っている方もいるかと思いますが、Apple Watchを使うにはiPhoneが必要です。これは仕様であり、iPhoneなしではセットアップすらできません。
本記事では「Apple Watchを使いたいけれど、iPhoneを持っていない」という方に提案したい、「5つの選択肢」をご紹介します。
提案したい5つの選択肢
その前に:必ずiPhoneが必要
Apple Watchを使うには必ずiPhoneが必要です。iPadやiPod Touchでもなく、必ずiPhoneです。
Apple Watchを使用するには、iPhoneとペアリングする必要があります。
Apple Watchを設定して使用するには、以下のものが必要です:
- watchOS 26以降を搭載したApple Watch SE、Apple Watch Series 6、またはApple Watch Ultra以降
- iOS 26以降を搭載したiPhone 11以降
「セットアップ時だけiPhoneを借りればいいのでは?」と考える方もいるかもしれませんが、おすすめしません。
Apple Watchは、セットアップしたiPhoneと紐付きます(同じApple IDでログインすることになる)。他人のiPhoneでセットアップすると、その人の通知や着信がApple Watchに届くことになり、非常にややこしいことになってしまいます。
1. Wear OSスマートウォッチという選択肢
「Wear OS」とは、Googleが提供するウェアラブルデバイス向けのOSのこと。Pixel WatchやGalaxy Watch(現行はWear OSベース)、Fossil、Mobvoiなど、多くのメーカーに採用されています。
できることはApple Watchの「watchOS」とほぼ同等です。通知を届けてくれたり通話したり、ヘルスケアに活用したりと「Androidスマホ x Wear OSスマートウォッチ」の組み合わせで同じように便利に使えます。
「Apple Watchを使いたい」という方にWear OSスマートウォッチをおすすめするのは乱暴に思えるかもしれません。しかし、Androidスマホを軸に考えたときにはこれがベストな方法です。
定番はGoogleのPixel Watchでしょう。現行モデルは2025年10月に発売された「Pixel Watch 4」です。
2. その他独自OSのスマートウォッチ
スマートウォッチにはメーカー独自のOSを採用するものも多くあります。GarminやFitbit、Amazfit、Huawei、Xiaomi、OPPOなど。これらのスマートウォッチにはメーカー独自のOSが使われています。
AppleのwatchOS・GoogleのWear OSと比べてエコシステムが狭いデメリットがありますが、その代わりいい意味で尖った性能・機能が魅力です。
- 数日〜数週間の長いバッテリー駆動時間
- 1万円以内の低価格帯で選べる
- 入門〜ハイエンドまで選択肢が広い
- アウトドアや特定のスポーツに特化したもの
- ユニークな形、デザイン
特に「長いバッテリー駆動時間」がよく言われるところ。数週間、長いと1か月近く持つバッテリー駆動時間は、Apple Watchユーザーからすると羨ましい限りです。
またエコシステムが狭いと言っても、決済系機能は充実しているものが多いですし、バンド交換を楽しめるものもあります。ニーズがハマればApple Watchと同じように便利に使えます。
3. 「ファミリー共有設定」を利用する
Apple Watchには「ファミリー共有設定」という機能があります(GPS + Cellularモデルのみ)。これを利用することで、iPhoneがなくてもApple Watch単体で運用することが可能です。
ただし、この方法にはいくつかのデメリットがあります。
- セットアップ時にはiPhoneが必要
- 別の電話番号が割り当てられる
- Androidスマホ・Apple Watch間の連携はなし
- 一部ヘルスケア関連が使えない
- 常時モバイル通信となるためバッテリー消費が大きくなる
- 専用プランと通話料の月額料金が発生する(au/楽天モバイル)
ファミリー共有設定は、iPhoneを持っていない家族でもApple Watchを使うことができる、本来は「見守り的な使い方」が想定された機能です。別の人が使うことが想定された機能なので、Androidスマホとは別の電話番号が割り当てられることになり、一部機能も制限されます。
そしてランニングコストもかかります。auの「ウォッチナンバー(月額385円)」と楽天モバイルの「Apple Watchファミリー共有設定(月額1,078円)」のいずれかを契約する必要があり、別途通話料も発生します。
結局セットアップ時にiPhoneが必要となり、デメリットも多いため積極的にはおすすめできませんが、「Apple Watchで通話さえできればいい」といったように用途が限られるのであれば選択肢になります。
4. AndroidスマホとiPhoneの2台持ち
Androidスマホをメインとしつつ、サブ機としてiPhoneを持つ方法です。冒頭でも書いたとおりApple Watchを使うにはiPhoneが必要。手元にiPhoneがあるのなら、少々強引ですがこの方法が現実的です。
通常、Apple Watchは近くにあるiPhoneとペアリングした状態で使用します。そのため、基本的にはAndroidスマホとiPhoneの2台を携帯するかたちになります。
「iPhoneを自宅に置いて運用したい」という場合は、
- GPS + CellularモデルのApple Watch
- 通信キャリアとのオプション契約
この2つが必須です。これでiPhoneを自宅に置いた状態でも、Apple Watch単体でネット通信・通話できるようになります。
| キャリア | サービス名 | 月額(税込) |
|---|---|---|
| ドコモ ahamo | ワンナンバーサービス | 550円 |
| au | ナンバーシェア | 385円 |
| ソフトバンク | Apple Watchモバイル通信サービス | 385円 |
| 楽天モバイル | 電話番号シェアサービス | 550円 |
上記はドコモ、ahamo、au、ソフトバンク、楽天モバイルが提供するオプションサービスです。主回線(今回の場合はiPhone)が上記キャリアで使用する必要がある点は注意してください。
月々のランニングコストに加え、電話番号が分かれる、通知の連携ができないといったデメリットがあります。現実的な方法ながらも、デメリットも少なくないのでトータルで見ての判断が大切です。
5. メインをiPhoneに乗り換える
「メインをiPhoneにする」というと極論に聞こえるかもしれませんが、Apple Watchをフルに活用するには、やはりiPhoneが必須条件です。もしスマホの買い替えを検討しているなら、iPhoneへの乗り換えを選択肢に入れるのはありです。
iPhoneは中古流通が豊富で、新品にこだわらなければ手頃な価格で手に入れられます。参考として大手中古ショップ「イオシス」の価格をご紹介しておきます。
【12月1日更新】中古iPhoneの価格(イオシス)
| 発売年 | モデル | 中古価格(イオシス) |
|---|---|---|
| 2025年 | iPhone 17 公式:129,800円〜 | 119,800円〜 |
| iPhone Air 公式:159,800円〜 | 129,800円〜 | |
| iPhone 17 Pro/Max 公式:179,800円〜 | 169,800円〜 | |
| iPhone 16e 公式:99,800円〜 | 84,800円〜 | |
| 2024年 | iPhone 16/Plus 公式:114,800円〜 | 89,800円〜 |
| iPhone 16 Pro/Max | 124,800円〜 | |
| 2023年 | iPhone 15/Plus | 70,800円〜 |
| iPhone 15 Pro/Max | 94,800円〜 | |
| 2022年 | iPhone 14/Plus | 49,800円〜 |
| iPhone 14 Pro/Max | 71,800円〜 | |
| iPhone SE(第3世代) | 22,800円〜 | |
| 2021年 | iPhone 13/mini | 32,800円〜 |
| iPhone 13 Pro/Max | 58,800円〜 |
なお、2025年現在最新の「watchOS 26」を使うには、iOS 26を搭載したiPhone 11以降またはiPhone SE(第2世代以降)が必要です。中古なら安くなっている古めのものを含めて幅広い機種から選べます。
ただし、カスタマイズ性の高さなどAndroidスマホにはiPhoneにはない良さがあります。Apple WatchのためにiPhoneに買い換えた結果、したいことができなくなってしまっては本末転倒です。乗り換えの際はiPhoneの使い勝手もしっかり比較検討しましょう。
Apple Watchを使うメリットや活用方法については「Apple Watchはいらない?8年使ってみて感じたこと」で詳しく紹介しています。
まとめ:AndroidスマホかiPhoneか
本記事では「Apple WatchをAndroidスマホで使いたい」と考えている方に向けて、提案したい5つの選択肢について解説しました。
結局のところ、AndroidスマホかiPhoneどちらを選ぶかに行き着きます。
Androidスマホを使い続けたい方
Android連携に対応するWear OS/独自OS搭載スマートウォッチ
どうしてもApple Watchを使いたい方
iPhoneとの2台持ちまたは乗り換えを検討
数年前までは決済機能を使うならApple Watch一択でしたが、今は違います。他社製スマートウォッチも進化してきており、決済機能への対応だけでなく、バッテリー持ちなど一部の部分ではApple Watchを超える性能・機能を備えるものもあります。
スマートウォッチ全体が進化した今、Androidスマホユーザーが無理に2台持ちしてまでApple Watchを持つ理由は薄れてきていると感じます。