ワイヤレス全盛の今でも根強い人気なのが、Apple純正イヤホン「EarPods」です。
「昔のiPhoneに付属していた有線イヤホン」というとピンとくるかと思いますが、あらためて使ってみると「やっぱりこれ、かなり優秀では?」と思わされます。
今回の記事では、「EarPodsが実は優秀な理由」として音質やマイク性能、コスパなどEarPodsの良さについてご紹介します。
EarPodsとは?
EarPodsとは、2012年に登場したApple純正の有線イヤホンです。コネクタのバリエーション追加という形でアップデートがあったものの、形状やデザイン、機能、音の傾向は2012年登場時からほとんど変わっていません。
かつてはiPhoneやiPodに同梱されていましたが、今は単体アクセサリとして販売されています。
特徴をざっくりまとめると、
- オープン型(耳を塞がない)の有線イヤホン
- 軽量で長時間の使用でも疲れにくい
- ケーブルにリモコン + マイクを搭載
- Apple純正としてはお手頃な価格でコスパが良い
このようになります。「ライトに使える日常用イヤホン」というイメージです。
USB-C/3.5mmステレオミニプラグ/Lightningの3種類
2025年現在、EarPodsはコネクタ(接続端子)の違いで3種類のラインアップがあります。
USB-Cポートを搭載するiPhoneやiPadでよく使うなら「USB-C版」が候補になります。

iPhone 15シリーズ以降、USB-C搭載iPad、MacBookのUSB-Cポートにダイレクトに接続できます。
iPhoneやiPadだけでなく、PCやゲーム機など幅広いデバイスで使いたい方におすすめなのが、「3.5mmステレオミニプラグ版」と「USB-C – 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ」の組み合わせです。

このスタイルならPCやゲーム機では3.5mmステレオミニプラグで接続し、iPhoneではアダプタを使いUSB-Cポートに接続できます。
ポチップ、Apple USB-C – 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ
外観と機能

EarPodsは、耳の穴を完全にふさがずに耳介にひっかけて装着するオープン型のイヤホンです。カナル型のような圧迫感が少なく、軽い装着感が特徴です。周囲の音が自然に入ってくるので、屋外を含めてどのような環境でも使いやすいでしょう。

右側のケーブル途中にリモコンとマイクがあります。これを操作して再生/一時停止、音量調節、着信の応答/終了などを行えます。
マイクは電話やビデオ通話に利用できます。マイク性能については後述しますが、クリアで聞き取りやすい音声を届けてくれます。

ハウジングもケーブルもとにかく軽く、耳や首回りへの負担が少ないのもEarPodsの良さです。有線ゆえにケーブルの取り回しは必要ですが、細く柔らかいケーブルは扱いやすいですし、重さで疲れることもありません。
ハウジング部分からコネクタまでの長さは実測で約110cmでした。短すぎず長すぎず、ちょうどいいと感じます。

2本のケーブルを結束できるスライダーが付いています。これはスライドさせて位置を調節できます。

大きな問題ではありませんが、指でつまめる部分が細く小さいため、指先が乾燥していると抜き挿ししにくいと感じることがあるかもしれません。

EarPodsはAndroidスマホやWindows PCでも有線イヤホンとして使用できます。マイクの使用も可能です(デバイス側の対応状況による)。ただし、接続するデバイスによっては、マイクが使えても再生/一時停止などのコントロールができないこともあります。
音質はお値段以上
EarPodsの価格帯は、Apple純正としてはかなりお手頃です。それを踏まえて音質を評価すると、まさに「お値段以上」という表現がぴったりです。
音のキャラクターをざっくりまとめると、
- 低音:控えめだが量感は申し分ない。あっさりめで聴き疲れしにくい。
- 中音:ボーカルが前に出やすく、人の声が聞き取りやすい。
- 高音:やや明るめでシャキっとしている。
このような印象です。音楽用途でも十分楽しめる音質ですし、YouTubeや映画/ドラマ、ポッドキャストでは人の声が聞き取りやすく快適です。
良い意味で音にクセがないので、私はEarPodsを「動画編集用のイヤホン」として使うことが多いです。有線なので当然遅延はないですし、「視聴者にどう聞こえるか」を考えたときに極端にチューニングされたイヤホンだと仕上がりをイメージしにくいからです。
一方、音楽をしっかり聴き込みたいという人からすると、「少し物足りない」と感じるかもしれません。
- 迫力のある低音
- 音の分離感
- 静かな空間での没入感
といった部分は、カナル型でノイズキャンセリング機能付きのAirPods Pro 3に軍配が上がります。EarPodsは「日常に溶け込む」イヤホンであるのに対して、AirPods Pro 3は「高い没入感を体験できる」イヤホンです。

ただ、価格と用途を考えると、
- 日常のながら聴きや動画視聴、通話用としては必要十分
- 「気軽に使えて、音もそれなりに良ければいい」というニーズを満たす
といった意味では、EarPodsの音質は確実に「お値段以上」だと感じます。
優秀なマイク性能
EarPodsのマイク性能は優秀です。音質がクリアで普段の電話やビデオ通話だけでなく、動画配信の収録にも使えるレベルです。
海外での評価やユーザーの声を見ていても、
- 通話相手に声がクリアに届く
- リモート会議用として十分どころか、ワイヤレスよりも安定していて快適
- 仕事用・授業用に複数本まとめ買いした
このようなポジティブな評価をたくさん見つけられます。
通話相手のマイク品質が悪く、声が聞き取りにくいせいでストレスを感じた経験はないでしょうか。個人的によくあります。「もう少しマシなマイクを使ってくれ……」と内心思いながらも我慢して聞き取ろうとしますが、EarPodsなら通話相手にそう思われることはないはずです。
EarPodsのマイク性能の優秀さをお伝えするために、実際に声を録音してみました。
EarPodsのマイクで録音した音声
エアコンと空気清浄機が動作している室内で録音しました。それらの動作音を拾ってしまっているものの、人の声は非常にクリアです。
EarPodsの価格帯を考えると、マイク性能は非常に優秀です。打ち合わせや面談、会議など「きちんと声を届けたい場面」でも安心して使えるイヤホンです。
コスパの良さが光る有線イヤホン
音楽や動画視聴、ビデオ通話などあらゆる場面で活用でき、なおかつ品質も高いEarPods。「これでこの価格なら安い」と思えるコスパの良さが光ります。
また有線ならではのメリットも見逃せません。
- 接続の不安定さや遅延、ノイズなどの音声トラブルがない
- バッテリー残量やバッテリー劣化を気にしなくていい
- AirPodsのような紛失リスクが低い
- ペアリング設定が不要で挿せば使えるシンプルさ
EarPodsよりも安価なイヤホンはたくさんあります。それでも毎日しっかり使うのならやはりEarPodsがおすすめです。実際に使ってみると、100円ショップに置いてあるような格安有線イヤホンとはレベルが違うことがわかります。
よくある質問
- USB-C/3.5mm/Lightning、どれを選べばいい?
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「よく使うデバイスにそのまま挿さるものを選ぶ」のがベストです。USB-Cポートを搭載するiPhoneやiPadでよく使うならUSB-C、様々なデバイスで使うなら、3.5mmステレオミニプラグ版を選び、必要に応じて「USB-C – 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ」の併用がおすすめです。
- EarPodsとAirPods、音質がいいのはどっち?
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「低音の量感と迫力」「音の分離感・解像感」「ノイズキャンセリングによる没入感」といった点では、AirPodsのほうが有利です。音質で選ぶならAirPods 4(アクティブノイズキャンセリング搭載)やAirPods Pro 3がいいでしょう。
- EarPodsを装着した状態で外の音は聞こえる?
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聞こえます。
音楽を再生していなければ、自然に人と会話できるレベルで環境音が入ってきます。オープン型のEarPodsは、遮音性を求める方には向いていません。
- EarPodsはゲーム用途には向いている?
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ライト〜ミドル層のゲーム用途なら十分使えます。有線なので遅延はないですし、アクションゲームや音ゲーなど様々なジャンルのゲームで使えるでしょう。
ただし、オープン型ゆえに、
- 遮音性が低い(環境音が耳に入ってくる)
- 足音や方向感など、細かい定位を重視するFPSには物足りない可能性
といったデメリットもあります。本格的にゲーム用途で使うならゲーミングイヤホン/ヘッドセットがおすすめですが、カジュアルなゲームならEarPodsで十分です。
- EarPodsの耐水性能は?
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EarPodsの製品ページは「汗や水から保護」とあります。日常使いにおける多少の汗や雨は過度に心配する必要はないでしょう。
ただし、耐水性能や防水性能があるわけではありません。大量の汗や雨が原因で故障する可能性がある点には注意してください。
- ノイズキャンセリング機能はある?
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EarPodsには環境音を低減するノイズキャンセリング機能は搭載されていません。
Apple純正イヤホンでは、AirPods 4(アクティブノイズキャンセリング搭載)、AirPods Pro 3、AirPods Maxが対応しています。