ワイヤレスイヤホン全盛の今でも根強い人気を誇るのが、Apple純正の有線イヤホン「EarPods(イヤーポッズ)」です。
登場は2012年。かつてはiPhoneに同梱されていたので、「昔のiPhoneに付いてきた白い有線イヤホン」と言えばピンとくる方も多いかと思います。形も音の傾向も当時からほとんど変わっていませんが、あらためて使ってみると「やっぱりこれ、かなり優秀では?」と思わされます。
今回の記事では、EarPodsの音質やマイク性能、コネクタ3種類の選び方、そして気をつけたい点まで、実際に使いながら詳しくレビューしていきます。iPhoneで使える有線イヤホンをお探しの方は、ぜひ参考にしてみてください!
👍 おすすめポイント
- 音にクセがなく、音楽・動画・通話まで幅広くこなせる。
- 価格帯を超えるクリアなマイク性能。Web会議でも安心。
- 挿せばすぐ使える。バッテリーもペアリング設定も不要。
- 軽くて圧迫感のないオープン型の装着感。
- 2,980円(税込)でApple純正の安心感が手に入る。
👎 気をつけたい点
- 遮音性は低く、騒がしい場所での使用には不向き。
- ワンサイズでイヤーチップ交換不可。フィット感には個人差がある。
- AndroidスマホやWindows PCでの動作は機種依存(Appleの保証はない)。
- コネクタが3種類あるので、買い間違いに注意。
EarPodsとは?
EarPodsとは、2012年に登場したApple純正の有線イヤホンです。かつてはiPhoneやiPodに同梱されていましたが、現在は単体のアクセサリとして販売されています。

「AirPodsの有線版が欲しい」と探している方もいるかもしれませんが、AirPodsに有線モデルは存在しません。Apple純正の有線イヤホンは、このEarPodsが唯一の選択肢です。
特徴をざっくりまとめると、以下のようになります。
- オープン型(耳を塞がない)の有線イヤホン
- 軽量で長時間の使用でも疲れにくい
- ケーブルにリモコン + マイクを搭載
- Apple純正としてはお手頃な価格
主な仕様は以下のとおりです。
| 製品名 | EarPods(USB-C)/EarPods(3.5 mmヘッドフォンプラグ)/EarPods(Lightningコネクタ) |
|---|---|
| タイプ | オープン型・有線 |
| リモコン/マイク | 搭載(音量調節、再生操作、通話、Siri起動) |
| ノイズキャンセリング | 非搭載 |
| ケーブル長 | 約110cm(筆者実測) |
| 保証 | Apple製品1年限定保証 |
| 価格(税込) | 各2,980円(2026年8月時点) |
Appleはケーブル長などの詳細仕様を公開していないため、ケーブル長は筆者が実測した値です。
登場から13年あまり。モデルチェンジらしいモデルチェンジもなく、コネクタの違いを除けば中身はほぼ同じまま売れ続けています。「完成されたロングセラー」と言っていいでしょう。
USB-C/3.5mmステレオミニプラグ/Lightningの3種類
EarPodsのラインアップは、コネクタ(接続端子)の違いで3種類です。2026年7月時点で、Lightning版を含む3種すべてがAmazon・Apple公式などで販売中です。
iPhoneやiPadで使うことがメインなら、まず「USB-C版」が候補です。

iPhone 15シリーズ以降のiPhone(iPhone 17シリーズ/iPhone Air/iPhone 17eを含む)、USB-C搭載のiPad・MacBookにダイレクトに接続できます。私もUSB-C版をiPhone 17で使っていますが、ペアリング設定なしで挿すだけで使えるのは、やはり楽ですね。
なお、iPhoneはiOS 17以降、iPadはiPadOS 16.4以降、MacはmacOS Monterey 12.6以降が動作条件です。近年のモデルであればまず問題ありません。
PCやゲーム機など幅広いデバイスで使いたい方には、「3.5mmステレオミニプラグ版」と「USB-C – 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ」の組み合わせがおすすめです。

このスタイルなら、PCやゲーム機では3.5mmステレオミニプラグで接続し、iPhoneではアダプタを介してUSB-Cポートに接続できます。私はこの組み合わせも愛用していて、接続先に応じて直挿しとアダプタ経由を使い分けています。
アダプタは1,380円(税込)なので、3.5mm版との合計は4,160円。USB-C版を単体で買うより1,380円高くなりますが、3.5mmジャックのあるデバイスすべてが守備範囲になると考えれば、差額分の価値は十分にある組み合わせです。
ちなみに、私のWindows PC(ASUS ROG Zephyrus G15)では、USB-C版はリモコン操作まで含めて動作しました。3.5mm版の直挿しでは音声・マイクのみ使え、アダプタを経由するとリモコン操作も有効になりました。
Lightning版は、iPhone 14シリーズ以前のLightning搭載iPhone向けです。いま使っているiPhoneがLightningモデルで、当面買い替えの予定がないなら選択肢になります。ただ、将来USB-CのiPhoneに買い替えたときにそのまま挿せなくなる点は頭に入れておきましょう。これから新しく買うなら、USB-C版か3.5mm版+アダプタの2択で考えるのがおすすめです。
外観と機能
続いては、EarPodsの外観と機能を写真を中心にご紹介していきます。

ハウジングもケーブルもとにかく軽く、耳や首回りへの負担が少ないのがEarPodsの良さです。有線ゆえにケーブルの取り回しは必要ですが、細く柔らかいケーブルは扱いやすく、重さで疲れることもありません。

EarPodsは、耳の穴を完全にふさがずに耳介にひっかけて装着するオープン型のイヤホンです。カナル型のような圧迫感が少なく、軽い装着感が特徴。音楽を再生していなければ、自然に会話できるレベルで周囲の音が入ってきます。

右側のケーブル途中にリモコンとマイクがあります。できる操作は次のとおりです。
- 音量調節:「+」「-」ボタン。
- 再生/一時停止:中央ボタンを1回押す。
- 曲送り/曲戻し:中央ボタンを2回/3回押す。
- 着信の応答/終了:中央ボタンを押す。
- Siriの起動:中央ボタンを長押し。
ハウジング部分からコネクタまでの長さは実測で約110cmでした。短すぎず長すぎず、ちょうどいいと感じます。

2本のケーブルを結束できるスライダーが付いています。スライドさせて位置を調節できます。

大きな問題ではありませんが、コネクタの指でつまめる部分が細く小さいため、指先が乾燥していると抜き挿ししにくいと感じるかもしれません。
音質はお値段以上
2,980円という価格を踏まえてEarPodsの音質を評価すると、まさに「お値段以上」という表現がぴったりです。
音のキャラクターは、こんな印象です。
- 低音:量感は多くないが、日常用途で不足は感じない。あっさりめで聴き疲れしにくい。
- 中音:ボーカルが前に出やすく、人の声が聞き取りやすい。
- 高音:やや明るめでシャキっとしている。
音楽用途でも十分楽しめますし、YouTubeや映画/ドラマ、ポッドキャストでは人の声が聞き取りやすく快適です。
良い意味で音にクセがないので、私はEarPodsを「動画編集用のイヤホン」として使うことが多いです。有線なので遅延はありませんし、「視聴者にどう聞こえるか」を考えたときに、極端にチューニングされたイヤホンだと仕上がりをイメージしにくいからです。
なお、オープン型という構造上、低音の量感は装着の具合や耳の形で変わると複数の測定レビューでも指摘されています。このあたりは個人差があると思ってください。
一方、音楽をしっかり聴き込みたい方からすると、「少し物足りない」と感じるかもしれません。
- 迫力のある低音
- 音の分離感
- 静かな空間での没入感
こうした部分では、カナル型でノイズキャンセリング機能を搭載するAirPods Pro 3に軍配が上がります。

両方を使っている実感として、EarPodsは「日常に溶け込む」イヤホン、AirPods Pro 3は「高い没入感を体験できる」イヤホンで、役割がそもそも違います。音質の物足りなさも、価格差(EarPods 2,980円に対しAirPods Pro 3は42,800円)を考えれば当然のこと。日常のながら聴きや動画視聴、通話用としては必要十分な音質です。
優秀なマイク性能
EarPodsのマイク性能は優秀です。音質がクリアで、普段の電話やビデオ通話だけでなく、配信や収録にも使えるレベルです。
通話相手のマイク品質が悪く、声が聞き取りにくくてストレスを感じた経験はないでしょうか。個人的にはよくあります。「もう少しマシなマイクを使ってくれ……」と内心思いながら我慢して聞き取るのですが、EarPodsなら通話相手にそう思われることはないはずです。
実際にEarPodsのマイクで声を録音してみました。
エアコンと空気清浄機が動作している室内で録音しました。動作音を多少拾ってはいるものの、人の声は非常にクリアです。
EarPodsユーザーのレビューを拾ってみても、「通話相手に声がクリアに届く」「Web会議用としてワイヤレスより安定していて快適」という声が多く、仕事の会議用として選ばれ続けています。接続切れや充電切れの心配がない有線マイクの強みは、「きちんと声を届けたい場面」でこそ効いてきます。
ちなみに、iOS 26.1以降ではEarPods(USB-C)を含む対応有線マイクの入力ゲイン(音量)を調整できるようになりました。マイクとしての使い勝手は、いまも地味に進化しています。
有線ならではのメリットとコスパ
音楽や動画視聴、ビデオ通話まで一通りこなせて、品質も高いEarPods。加えて、有線ならではのメリットも見逃せません。
- 接続の不安定さや遅延、ノイズなどの音声トラブルがない
- バッテリー残量やバッテリー劣化を気にしなくていい
- AirPodsと比べて紛失リスクが低い
- ペアリング設定が不要で、挿せば使えるシンプルさ
Apple純正イヤホンの中で見ると、ワイヤレスの最安モデルであるAirPods 4が23,800円(税込)ですから、EarPodsの2,980円は圧倒的に手が出しやすい価格です。
もちろん、EarPodsよりも安い有線イヤホンはたくさんあります。それでも毎日しっかり使うのなら、やはりEarPodsがおすすめです。実際に使ってみると、100円ショップに置いてあるような格安有線イヤホンとはレベルが違うことがわかります。
気になるポイントは?
ここまで良さを中心に書いてきましたが、気をつけたい点もあります。
まず、遮音性は低いです。それが弱点であり良さでもあるのですが、EarPodsは耳を塞がないオープン型。周囲の音がそのまま入ってきます。静かな部屋では問題ありませんが、電車内や騒がしいカフェでは音量を上げたくなりがちです。
騒音の中で音楽に集中したいなら、カナル型やノイズキャンセリング搭載のイヤホンを選んだほうがいいでしょう。とはいえ、周囲の音に気づけることは、ながら聴きや屋外での使用ではむしろ利点です。
次に、ワンサイズでフィット感に個人差があること。カナル型のようなイヤーチップ交換ができないため、耳の形に合わない場合の調整手段がありません。軽くて疲れにくい形状ではあるものの、「耳に合わない」「落ちやすい」という声も一定数あります。こればかりは装着してみないとわからない部分です。
音漏れについては「周囲に聞こえ得る」「漏れは大きくない」と評価が割れます。私自身は、日常の音量で使っていて音漏れが気になったことはありません。フィット感に個人差があるため、その人が感じる遮音性や音漏れの評価が変わってくるのだろうと思います。ここは理解しておきたいところですね。
レビューまとめ
EarPodsは、2012年の登場から13年あまり、形をほとんど変えずに売れ続けているApple純正の有線イヤホンです。モデルチェンジなしでこれだけ売れ続けている──この事実だけで、価格と品質のバランスの良さは伝わるかと思います。
EarPodsが合うかどうかは、使う場所と繋ぐデバイスでほぼ決まります。「向いている人」「向いていない人」を整理すると、こうなります。
👍 向いている人
- iPhoneでサッと使える有線イヤホンが欲しい方
- Web会議や通話で「聞き取りやすい声」を届けたい方
- バッテリー管理やペアリング設定から解放されたい方
- AirPodsを買うほどではないが、純正の安心感が欲しい方
👎 向いていない人
- 電車など騒がしい環境で使うことが多い方 → カナル型やノイズキャンセリング搭載モデルがおすすめ
- AndroidやWindowsメインで使いたい方 → 対応機種を明示する他社製イヤホンがおすすめ
- 迫力ある低音や没入感を求める方 → AirPods Pro 3などの密閉型がおすすめ
2,980円という価格を考えると、文句のつけどころが見当たらないというのが率直な感想です。13年前の設計のまま、音質・マイク・使い勝手のどれもが必要十分。EarPodsが今も売れ続けている理由は、実際に使ってみればすぐにわかるはずです。
よくある質問
USB-C/3.5mm/Lightning、どれを選べばいい?
「よく使うデバイスにそのまま挿さるもの」を選ぶのがベストです。USB-CポートのあるiPhone(iPhone 15シリーズ以降)やiPadで使うならUSB-C版、PCやゲーム機など幅広いデバイスで使うなら3.5mm版+「USB-C – 3.5mmヘッドフォンジャックアダプタ」の組み合わせがおすすめです。Lightning版はiPhone 14シリーズ以前を使い続ける方向けです。
EarPodsとAirPods、音質がいいのはどっち?
「低音の量感と迫力」「音の分離感」「ノイズキャンセリングによる没入感」では、AirPodsが有利です。これらを重視するなら、アクティブノイズキャンセリング搭載のAirPods 4やAirPods Pro 3がいいでしょう。なお、AirPods 4には標準モデルとノイズキャンセリング搭載モデルの2種類があり、標準モデルはノイズキャンセリング非搭載です。
EarPodsを装着した状態で外の音は聞こえる?
聞こえます。
音楽を再生していなければ、自然に人と会話できるレベルで環境音が入ってきます。オープン型のEarPodsは、遮音性を求める方には向いていません。
AndroidスマホでEarPodsは使える?
イヤホンとして音を聴く・マイクを使うだけなら、ほぼ使えると考えていいでしょう。ただし、音量調節などのリモコン操作が効くかは端末側の対応次第です。AppleはAndroidでの動作を保証していないため、Androidメインで確実に全機能を使いたい方には、対応機種を明示している他社製イヤホンをおすすめします。
EarPodsはゲーム用途には向いている?
カジュアルなゲームなら十分使えます。有線なので音の遅延がなく、アクションゲームや音ゲーでも快適に遊べるでしょう。

実際にSwitch 2で試したところ、USB-C版は音量調節などの操作まで含めて問題なく動作しました。3.5mm版も音声・マイクは使えましたが、直挿しだとリモコン操作が効かないため、操作もしたい場合はUSB-Cアダプタを挟むのがおすすめです。
ただし、オープン型ゆえに周囲の音が入るため、足音の位置や方向を聞き分けたいFPSには物足りない可能性があります。比較的静かな環境でプレイするぶんには、何ら問題ありません。
EarPodsの耐水性能は?
製品ページには「汗や水から保護」とあります。日常使いにおける多少の汗は過度に心配する必要はないでしょう。
ただし、防水性能やIP等級が公表されているわけではないため、大量の汗や雨には注意してください。
ノイズキャンセリング機能はある?
EarPodsに、環境音を低減するノイズキャンセリング機能は搭載されていません。
Apple純正イヤホンでは、アクティブノイズキャンセリング搭載AirPods 4、AirPods Pro 3、AirPods Max 2が対応しています。