プライベートから仕事まで幅広く活躍してくれるApple Watch。私にとっても、Apple Watchはなくてはならない存在です。
今回の記事では、Apple Watchのセルラーモデル(GPS + Cellularモデル)について、対応するキャリアと月額料金、契約方法をわかりやすく解説します。
私自身、Apple Watch単体で電話通話やモバイル通信できるように契約してあります。iPhoneに縛られないことで活用の幅が広がり、「単体でも外部と連絡をとれる」安心感もあります。
Apple Watchの購入を検討されている方、すでにセルラーモデルを使っている方に参考にしていただける内容となっていますので、ぜひチェックしてみてください。
記事内の価格はすべて「税込表記」です。
セルラーモデル自体に月額料金はかからない
誤解されがちですが、セルラーモデル自体に月額料金が発生するわけではありません。各キャリアが提供するサービスを契約して初めて月額料金が発生します。
| モデル | 素材 | サイズ | GPSモデル | GPS+Cellularモデル |
|---|---|---|---|---|
| Series 11 | アルミニウム | 42mm | 64,800円 | 80,800円 |
| 46mm | 69,800円 | 85,800円 | ||
| チタニウム | 42mm | ─ | 114,800円 | |
| 46mm | ─ | 122,800円 | ||
| Ultra 3 | チタニウム | 49mm | ─ | 129,800円 |
| SE 3 | アルミニウム | 40mm | 37,800円 | 45,800円 |
| 44mm | 42,800円 | 50,800円 |
税込価格、バンドの組み合わせによって価格が異なります。
モデルによってセルラーモデルのみの選択肢となることもありますが、必ず契約しなければならないわけではありません。
各キャリアの月額料金や契約方法は、このあとご紹介していきます。お試しで使ってみて、不要ならすぐに解約することもできます。Apple WatchはeSIM(SIMカードの役割を担うチップ)を内蔵するため、契約から解約までオンラインで完結、気軽に試すことができます。
各キャリアのサービスと月額料金
日本国内向けには、ドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4社がApple Watch向けの通信サービスを提供しています。それぞれのサービス名は異なりますが、内容としてはどれも同じです。
注意したいのは、iPhoneの契約キャリアに依存するという点です。iPhoneがドコモなら、Apple Watchで契約できるのもドコモのサービスのみ。iPhoneはドコモ、Apple Watchはauといった組み合わせはできません。
それでは各社のサービス内容と月額料金を見ていきましょう。
ドコモ・ahamo「ワンナンバーサービス」

ドコモとそのサブブランドのahamoでは、「ワンナンバーサービス」という名称で提供されています。月額料金は550円、登録手数料は無料です。
ahamoでも使えるのは嬉しいポイントですね。auのUQ mobileとpovo、ソフトバンクのY!mobileとLINEMOは、Apple Watchのセルラー契約に対応していません。iPhoneの月額料金を抑えたい方には、ahamoは魅力的な選択肢となります。
また、ドコモの特徴として「マルチデバイスオプション(月額550円)」があります。ワンナンバーサービスの550円 + マルチデバイスオプションの550円の合計1,100円で、最大5台のApple Watchを登録できます。
これらのサービスを使うことで、複数のApple Watchでひとつの電話番号を共有でき、どちらも単体での電話通話・データ通信が可能になります。
au「ナンバーシェア」

auが提供する「ナンバーシェア」の月額料金は385円、ドコモと同様に登録手数料は無料です。
残念ながらサブブランド(UQ mobileとpovo)に非対応で、iPhoneの回線はauである必要があります。また、ドコモのマルチデバイスオプションのような複数デバイスを登録できるサービスもありません。
サービス内容はドコモのほうが充実していますが、月額料金が安く設定されているのは嬉しいポイント。登録手数料もかからず、気軽に試せる料金設定が魅力です。
なお、Apple Watchに関連して「ウォッチナンバー」というサービスがありますが、これは別サービスでナンバーシェアとは内容が異なります。記事後半でご紹介していますので、そちらを参考にしてください。
ソフトバンク「Apple Watchモバイル通信サービス」

ソフトバンクでは、「Apple Watchモバイル通信サービス」という名称で提供されています。月額料金は385円とauと同じ低価格設定で、登録手数料は無料です。
2025年現在、Apple Watchモバイル通信サービスの月額料金が4年間(48か月)無料となるキャンペーンが実施されています(終了未定)。月額385円が発生するのは49か月からとなり非常にお得です。
ソフトバンクでも最大5台のデバイスを登録できます。ただし、ドコモ(ワンナンバーサービス + マルチデバイスオプション)では複数デバイスで同時の待ち受けが可能なのに対し、ソフトバンクではアクティブにできるのは1台のみとなります。
また、ソフトバンクのサブブランド(Y!mobileとLINEMO)には非対応。ソフトバンク回線を契約している必要があります。
楽天モバイル「電話番号シェアサービス」

楽天モバイルが提供する「電話番号シェアサービス」の月額料金は550円です。こちらも登録手数料は無料です。
電話番号シェアサービスを付けられるのは音声通話が可能なプランのみ。「Rakuten最強プラン(データタイプ)」は対象外です。
楽天モバイルでも最大5台のデバイスを登録できますが、ソフトバンクと同じでアクティブにできるのは1台まで。複数のApple Watchで同時に待ち受けすることはできません。
契約は簡単!数分でオンラインで完結
各キャリアが提供するサービスは、iPhoneの「Watch」アプリから申込みできます。申し込んでから開通するまでの所要時間は、私の場合は5分程度でした。
それでは、実際の申込みから開通までの流れをご紹介していきましょう。




ここからは各キャリアによって表示される画面が異なりますが、ログイン契約内容の確認手続き完了の流れではどこも同じです。
- ドコモ:お申込み方法(Apple Watchをご利用の場合)
- au:【ナンバーシェア】申し込み手順を教えてください (iPhone)
- ソフトバンク:ご利用開始方法
- 楽天モバイル:電話番号シェアサービス(ご利用方法)

「アクティベート中」の表示が消えたら、設定・開通完了です。Apple Watch単体で電話通話・モバイル通信できる状態です。

「ファミリー共有設定」とは?
Apple Watchのセルラーモデルには、「ファミリー共有設定」という機能があります。
iPhoneを持っていない家族のための機能
ファミリー共有設定は、子どもやシニア向けの見守り的な用途が想定された機能です。電話通話やメッセージの送受信、位置情報の共有などができ、家族がiPhoneを持っていなくてもApple Watch単体で動作します。
前述の各キャリアのサービスは、「ひとつの電話番号をiPhoneとApple Watchで共有」するものでした。ファミリー共有設定はそれとは異なり、Apple Watchに独立した電話番号・通信プランが割り当てられます。
iPhoneを持っていない家族向けの機能ですので、iPhone・Apple Watch間の連携に制限があります。iPhoneの通知はApple Watchには届きません。一部の機能を利用できないデメリットもあります。
ファミリー共有設定のデメリット
- 異なる電話番号が付与されるため、iPhoneと連携できない。通知も連動しない。
- 一部の機能やアプリが使用できない。
服薬、呼吸数、不規則な心拍の通知、心電図、心房細動履歴、周期記録、睡眠、手首皮膚温、血中酸素ウェルネス、歩行安定性、オーディオブック、News、ショートカット、ダブルタップジェスチャ、国際ローミング - 月額料金のほかに通話料・SMS送信料がかかる(iPhoneのプランとは共有できない)。
- データ容量は250MB込みだが、それを超えると通信速度が128kbpsに制限される
対応キャリアと月額料金
ファミリー共有設定を使うには、セットアップ時にiPhoneが必要になります。加えて、以下のファミリー共有向けのサービスとの契約も必要です。
| ウォッチナンバー (au) | Apple Watchファミリー共有設定 (楽天モバイル) | |
|---|---|---|
| 月額料金 | 385円 | 1,078円 |
| データ通信容量 | 250MB/月 | 250MB/月 |
| 国内通話料 | 22円/30秒 | 22円/30秒 |
| 国内SNS送信料 | 3.3円/通 | 3.3円/通 |
ファミリー共有設定に対応するのは、auの「ウォッチナンバー」と楽天モバイルの「Apple Watchファミリー共有設定」のみ。ドコモやソフトバンクから同様のサービスは提供されていません。
これらのサービスは、セットアップするiPhoneの回線に関係なく利用できます。親のiPhoneがドコモでも、子ども用Apple WatchとしてウォッチナンバーやApple Watchファミリー共有設定を単独で契約・利用可能です。
使用者が同じならメリットは少ない
回線の制約なく単独で利用できるファミリー共有設定を使えば、格安SIMとも組み合わせられます。
しかし、付与されるのは独立した電話番号ですし、機能的な制限も多いです。月額料金の他に通話料やSMS送信料が従量制でかかってくることも理解しておく必要があります。
子どもや離れた場所に住む親に持たせるなど、本来想定された使い方に合うならありですが、格安SIMとの組み合わせなど裏技的な使い方はおすすめできません。
よくある質問
最後に、Apple Watchのセルラーモデルについて「よくある質問」をまとめました。
- GPSモデルとセルラーモデルの違いは?
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両者の主な違いは、Apple Watch単体で電話通話・データ通信できるかどうか。GPSモデルのほうが価格が安いため、iPhoneから離れることがなければGPSモデルでOKです。
ただし、選択するモデルやケースの素材によっては、セルラーモデルしか選択肢がない場合があります。
- セルラーモデルの契約で何が便利になる?
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iPhoneから離れる、あるいは離れざるを得ない場面がある方にとっては、セルラーモデルが非常に便利です。
例えば家族でプールに遊びに行ったとき。iPhoneをロッカーに入れたままでも、腕に巻いたApple Watchで家族と連絡を取り合えます。
スポーツやアウトドアシーンでも活躍します。サーフィンでは電波が届く範囲なら海上でも電話通話できます。キャンプや登山では、破損や紛失などのトラブルでiPhoneが使えない場面でも、Apple Watchで外部に連絡できます。ジョギングでもiPhoneを持ち出さずに家族に連絡したり地図アプリの確認できます。
- Apple Watch単体でLINEアプリは使える?
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使えます。
LINE電話には非対応ですが、メッセージの送受信は可能です。テキストやスタンプ、ボイスメッセージ、テキストの音声入力にも対応します。
- 通話料や通信料はどうなる?
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通話料やモバイル通信料は、親回線の利用分として計算・課金されます。Apple Watchでかかるのは固定の月額料金のみです。
例えば、iPhoneで通話定額プランを契約しているなら、Apple Watch単体での通話も定額です。月20GBのデータ通信プランを契約しているなら、Apple Watch単体での通信はその20GBから消費されます。
- 格安SIMでは使えない?
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現状、格安SIM(MVNO)からはセルラーモデル向けサービスは提供されていません。対応するのはドコモ、ahamo、au、ソフトバンク、楽天モバイルのいずれかのみです。
ファミリー共有設定を使えば、格安SIMとの組み合わせでもApple Watch単体での電話通話・モバイル通信は可能ですが、その場合は電話番号が新たに割り当てられることとなり、機能的にも多くの制限があります。
「毎月の支払いを抑えたい」という方は、セルラーモデル向けサービスを利用できる唯一のサブブランドであるahamoを検討してみてください。