今回ご紹介するのは、燃えにくい「半固体(準固体)バッテリー」を採用したモバイルバッテリー「CIO SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless 2.0 SS5K」です。
バッテリーの電解質に難燃性のゲル状素材が使われており、従来の液体電池よりも燃えにくく、安全性に優れるメリットがあります。最近では半固体や準固体をうたうモバイルバッテリーをちらほら見かけるようになりました。
先日、同じく半固体バッテリーを採用する「オウルテック OEC-LPB10024シリーズ」をレビューしてそのときにも感じましたが、やはりモバイルバッテリーは「安心して使える」ことが一番です。
今回レビューするCIO SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless 2.0 SS5Kは、「安心して選べるQi2ワイヤレス充電対応モバイルバッテリー」を買いたいという方にぴったりな1台。ぜひ参考にしてみてください!
製品の仕様

CIO SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless 2.0 SS5Kは、従来モデルの「SMARTCOBY SLIM 5K」の薄さや充電性能をそのままに、半固体バッテリーを採用したモバイルバッテリーです。仕様は以下のとおりです。
CIOによると、半固体バッテリー採用というハード面の安全性向上のほかに、温度監視や温度制御といったソフト面でも安全性に配慮されているとのこと。本製品でも「安心して選べる」点が強調されています。
- NovaCore C2
独自の設計基準を満たしたコア設計レベル。半固体系セル自体の温度が55℃以内になるよう設計。 - NovaSafety S2
バッテリー内部の温度の監視・制御。手で触れる箇所は最大でも42℃以内となるよう設計。
なお、本製品を使用するには、Qi2と互換性のあるスマホ(MagSafe対応iPhoneなど)が必要です。使用しているケースによっては、充電速度が落ちたり充電できなかったりすることもあります。お手持ちのスマホ・ケースがQi2に対応しているかを確認しておいてください。
半固体バッテリー採用
CIO SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless 2.0 SS5Kの最大の特徴は、「半固体バッテリー」を採用していること。「安全性を重視したい」という方にとっては有力な選択肢となります。
現時点では、半固体や準固体バッテリーに明確な基準がありません。そのため、CIOでは以下の定義で「半固体系」としているそうです。
CIOでは構造(NovaCore C2)と制御(NovaSafety S2)の双方において、当社独自の要件や定義を策定し、それらを満たしたバッテリーを独自呼称「半固体系」と定義しました。加熱130℃・短絡・圧迫・落下・釘刺しといった過酷試験もクリアしています。
モバイルバッテリーで最も怖いのが「発火事故」でしょう。ニュースでもたまに目にしますが、適切に扱っていても事故が起こり得ることを踏まえると、決して他人事ではありません。安全性に優れるバッテリーを使っている点は、本製品を選ぶ大きな理由となります。
余談になりますが、私はここしばらくCIO製品を敬遠していました。CIO製の充電器やモバイルバッテリーは攻めた設計のものが多く、怖いくらいの発熱があったり、それにより出力が低下する問題があったりと、「安全性よりも薄さや軽さといったインパクトを優先しているメーカーなのでは?」という疑念があったためです。
しかし、本製品は、半固体バッテリーに加えてNovaCore C2やNovaSafety S2といった温度管理システムを備えるなど、安全性を最優先に設計されています。モバイルバッテリー事故への関心が高まっている今だからこそ、こうした安全性を前面に押し出した製品が選択肢として増えるのは良いことだと、個人的には感じています。
製品の外観とサイズ
続いては、SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless2.0 SS5Kの外観やサイズなどを写真を中心にご紹介していきます。


モバイルバッテリー本体を充電するにはUSB-C充電器が必要です。本製品は最大20Wの入力に対応するので、「20W以上の出力ができるUSB-C充電器」が最適です。

本体には強度と放熱性に優れるアルミボディが使われています。CIO製品というと「シボ加工」のイメージですが、本製品はサンドブラスト加工によるマットな質感。サラサラとした触り心地で、指紋も目立ちません。


LEDの点灯数でバッテリー残量の目安(25%刻みの4段階)を確認できます。ワイヤレス充電時は一番左のLEDが紫に点灯します。

スマホに吸着する面にはシリコン素材が使われており、充電デバイスを傷つけないよう配慮されています。


iPhone 17の背面にぴったり収まるサイズ感です。ただ、側面のみを保護するバンパーケースをお使いの場合だと干渉してしまうかもしれません。お使いのケースとの相性は要確認です。

iPhone Air + 純正バンパーケースの組み合わせでは干渉なく問題なしでした。

重量は5,000mAh・Qi2対応モバイルバッテリーでは標準かやや重め。気になるほどの重さではありません。
Qi2ワイヤレス充電対応
SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless2.0 SS5Kは、最大15WのQi2ワイヤレス充電に対応しています。

やはり充電ケーブル不要なのは快適ですね。ワイヤレス充電に慣れてしまうと、なかなか有線には戻れません。充電速度は有線に負けますが、本製品は厚さ約8.7mmとスリムなので、充電しながらのスマホ操作も楽ラクです。

USB-Cポートは最大20Wの出力に対応します。ワイヤレスよりも高速に充電できるため、急いでいるときは有線でサクッと急速充電できます。

入力も最大20Wに対応しており、モバイルバッテリー本体を高速に充電できます。上では「Anker 511 Charger (Nano Pro)」を使用しています。お手頃な20W充電器ですので、お持ちでない方はこちらもチェックしてみてください。

パススルー充電にも対応しており、モバイルバッテリー本体と同時にスマホを充電することも可能です。モバイルバッテリーの充電が終わると、バッテリーを介さずスマホを直接充電できる回路設計となっているため、パススルー充電によるバッテリー劣化は心配不要です。
サイクル回数「約500回」が気になる
本製品の仕様を見て気になったのが、サイクル回数「約500回」という数値。

一般論として、半固体バッテリーは従来バッテリーよりも長寿命とされています。しかし、本製品のサイクル回数は、従来モデル(SMARTCOBY SLIM 5K)と同じ約500回です。
疑問に感じたのが、先日レビューしたオウルテックの半固体バッテリー採用モバイルバッテリーとの差です。こちらは約2,000回のサイクル回数をうたっており、同じ半固体でも4倍もの差があります。

記事の前半でも触れましたが、現時点で「半固体」や「準固体」バッテリーに明確な業界基準はありません。各メーカーが独自の定義で呼称しているため、同じ言葉を使っていても実際の性能は大きく異なる可能性があります。
約500回は決して短くありません。週に2回充電しても約5年は使える計算です。ただ、「半固体だから長寿命」と一概に判断せず、各製品のサイクル回数を個別に確認することが重要だと感じました。
レビューまとめ
ということで、今回は半固体バッテリーを採用した、安心して選べるQi2対応モバイルバッテリー「CIO SMARTCOBY SLIM Ⅱ Wireless 2.0 SS5K」をご紹介しました。
冒頭でも書いたとおり、本製品は、「安心して選べるQi2ワイヤレス充電対応モバイルバッテリー」を買いたいという方にぴったりです。「半固体だから絶対に安全」というわけではありませんが、最も怖い発火や延焼などのリスクを少しでも抑えられるのは大きなメリットです。
一方で気になったのは、約500回というサイクル回数。半固体バッテリー採用モバイルバッテリーの中には約2,000回をうたう製品もあり、「この差はなんだろう?エネルギー密度が違うから?メーカーの基準が違うから?」と他製品との差が気になります。とはいえ、従来製品では300〜500回が普通です。実用上の問題があるわけではありません。
充電性能については文句なし。5,000mAhという日常使いにはちょうどいいバッテリー容量、スリムで扱いやすいサイズ感、Qi2対応で充電速度も十分です。興味のある方はぜひチェックしてみてください。