Apple Creator Studioが一斉アップデート。Final Cut Cameraは撮影後ピントやボケ調整が可能に

Apple Creator Studioのヒーローイメージ

Appleは2026年9月29日、動画編集や画像編集、書類作成などのアプリをまとめた「Apple Creator Studio」のアップデートを発表しました。Final Cut ProやPixelmator Proなどの新バージョンは、日本のApp Storeでも9月30日から配信されています。

注目は、無料の撮影アプリ「Final Cut Camera」と動画編集アプリの連携です。iPhone 18 ProのFinal Cut Cameraで通常のビデオにシネマティックモードのエフェクトを加え、MacやiPadでピントを合わせる場所や背景のボケ具合を調整できるようになりました。

撮影後でも見せたい被写体にピントを変更できる

シネマティックモードは、被写体にピントを合わせながら背景などをぼかすことで、見る人の視線を誘導できる撮影機能です。撮影後に焦点を変更すれば、同じ映像でも手前の人物を目立たせたり、奥にいる人物へ注目を移したりできます。

Final Cut Pro 焦点の比較 手前と背景
出典:Apple

今回のFinal Cut Camera 2.4では、iPhone 18 Proで通常のビデオにシネマティックモードのエフェクトを適用できるようになりました。編集向けの記録形式であるProResや、色調整を前提とするApple Logにも対応します。

その映像をFinal Cut ProやMotionに取り込むと、焦点ポイントと被写界深度を変更できます。被写界深度とはピントが合って見える範囲のことで、これを調整すれば、背景を大きくぼかすか周囲も見せるかを編集時に決められます。

ただし、撮影済みのどんな動画でも、自由にピントを変えられるわけではありません。今回追加された機能の対象は、Final Cut Cameraで撮影したシネマティックモードのエフェクトを含む動画です。

なお、Mac用Final Cut Proは、従来からiPhone 13以降のシネマティックモードで撮影した動画の焦点変更に対応しています。iPad用Final Cut ProはiOS 17を搭載したiPhoneで撮影したシネマティック動画に対応し、Motionでも焦点ポイントや被写界深度のエフェクトを変更できます。

各アプリの役割と新機能に必要なOS

対応する動画アプリの新バージョンと役割は、以下のとおりです。

アプリ新しいシネマティック動画への対応新機能に必要なOS
Mac用Final Cut Pro 12.4(買い切り版)焦点ポイントと被写界深度の調整macOS Golden Gate 27以降
Mac用Final Cut Pro(Apple Creator Studio版)焦点ポイントと被写界深度の調整macOS Golden Gate 27以降
iPad用Final Cut Pro 3.4焦点ポイントと被写界深度の調整iPadOS 27以降
Motion 6.4(買い切り版・Apple Creator Studio版)焦点ポイントと被写界深度の調整macOS Golden Gate 27以降
Compressor 5.4(買い切り版・Apple Creator Studio版)以前のシネマティックモードのフォーマットへの変換macOS Golden Gate 27以降

Final Cut ProやMotionが映像の見せ方を調整するのに対し、CompressorはFinal Cut Cameraで撮った新しい形式のシネマティック動画を、従来の形式に変換する役割を担います。

また、アプリの動作条件と、この新機能を使える条件には違いがあります。Mac用Final Cut Pro、Motion、Compressor自体はmacOS 26.6以降で動きますが、新しいシネマティック動画への対応にはmacOS Golden Gate 27以降が必要です。同OSの対応機種にIntel搭載Macは含まれないため、この機能を使うにはMac本体側の対応も前提になります。

iPad用Final Cut Proは、MシリーズまたはA16以降のチップを搭載したiPadと、iPadOS 26.6以降で動作します。今回の焦点・被写界深度の調整を使う場合は、iPadOS 27以降にアップデートする必要があります。

編集アプリの操作性改善や不具合の修正

編集時の操作性も向上しています。iPad用Final Cut ProではLiquid Glassを採用した画面に変わり、タイムラインを広く表示できるようになりました。プロジェクトを開いたまま設定にアクセスでき、タイトル追加やエフェクトのコピーなどに使うキーボードショートカットも増えています。

Mac用Final Cut Proでは、タイトルのフォントが変更前に戻る現象や、iPadで作成したプロジェクトの読み込み時にアプリが終了する問題などが修正されました。

Compressorには、SNSへの投稿用にHEVC形式のMPEG-4ファイルを作る書き出しプリセットが追加されました。HDR向けの10ビット出力にも対応する一方、分散処理の機能は削除されています。分散処理を使っていた場合は、従来の作業方法に影響する変更となります。

Final Cut CameraはiPhone 18 Proの可変絞りや撮影時の各種調整に対応

Final Cut Camera 2.4では、iPhone 18 Proの48MPフュージョンメインカメラが備える、F1.48〜F4の可変絞りにも対応しました。絞り優先、シャッター優先、マニュアルの各モードで撮影できます。

iPhone 18 Proのカメラモジュール(背面)
iPhone 18 Proの可変絞りに対応

こちらは撮影後のボケ効果とは異なり、撮影時にレンズを通る光の量などを調節する機能です。撮影時の表現を絞りで決め、撮影後にはシネマティックエフェクトを編集するという、両方の調整が可能になります。

操作画面では、絞りやシャッター角度、ISOなどをまとめて確認でき、表示された設定をタップすると調整用のコントロールを呼び出せます。ホワイトバランスの色合いや、ピントが合っている部分を示す線の感度・色も変更できるようになりました。

iOS 27では、映像の色や明るさの分布を確認するRGBパレードとヒストグラムも利用できます。アプリ自体は無料で、iOS 26.6以降で動作しますが、可変絞りや今回のシネマティックエフェクトを使うにはiPhone 18 Proが必要です。

iPadでの画像切り抜きを改善、書類作成アプリの新機能も追加

Apple Creator Studio版のPixelmator Pro 4.4では、Macで使われている「選択とマスク」がiPadでも利用できるようになりました。

人物を背景から切り抜く際、髪の毛まできれいに残すのは難しい作業です。新機能ではブラシで境界を調整できるほか、「スマートカスタマイズ」で髪や毛皮の細部を検出して残せます。iPadでの切り抜きから仕上げまでの作業が進めやすくなります。

なお、Mac向けの買い切り版Pixelmator Proは別のアプリで、2026年9月30日時点の最新バージョンは3.8です。今回の4.4と同じ更新ではありません。

MacとiPadの両方に、スポーツや新しいビジネス・製品の立ち上げ向けテンプレート、ポッドキャストカバーのカテゴリも追加されました。

Pixelmator Pro 4.4はmacOS 26.0以降、またはiPadOS 26.0以降で動作します。iPadで利用するには、MシリーズまたはA16以降のチップが必要です。

書類作成アプリのKeynote、Pages、Numbersは、いずれもバージョン15.4になりました。3つのアプリ共通の新機能として、共有ファイルの共同作業に参加するためのアクセスをリクエストできるようになっています。Numbersには三角関数・統計関数・論理関数が追加されました。

契約者向けには、新しいテーマやテンプレートが追加されました。Keynoteのインテリジェントスライド生成はベータ版として強化され、プレゼンテーションに合う画像も自動で作成できます。

これら3つのアプリは、iOS 26.0、iPadOS 26.0、macOS 26.0、visionOS 26.0以降で利用できます。

Mac用Pagesには、文章を読みやすく表示する「スクリーンビュー」の追加も発表されています。

フリーボードについても、ボードのダークモードへの自動対応や、フォルダでの整理・共有といった改善が案内されています。Apple Intelligenceの作文ツールを使った手書きメモの書き直しや要約にも対応します。

このほか、Mac用Logic Pro 12.4とiPad用Logic Pro 3.4も配信されており、こちらは安定性の改善とバグ修正が中心です。

動画の新機能はMacの買い切り版でも利用できる

Apple Creator Studioの日本での料金は、月額1,780円または年間17,800円です。新規登録者は1か月無料で利用できます。認証を受けた大学の学生・教職員向けには、期間限定で月額480円または年間4,800円のプランも用意されています。

参考:Apple Creator Studio(公式)

ただし、今回の動画関連の新機能を使うために、必ず契約が必要なわけではありません。Mac用Final Cut Pro、Motion、Compressorは買い切り版にも対応する更新が提供されています。新規購入価格は、Final Cut Proが50,000円、MotionとCompressorが各8,000円です。

iPad用Final Cut ProはApple Creator Studioに含まれるアプリで、App Storeではダウンロード無料(アプリ内課金あり)として配信されています。

Final Cut Cameraも無料で使えますが、iPad用Final Cut Proに接続して複数のカメラを使う「ライブマルチカムセッション」を始める機能には、Apple Creator Studioの契約が必要です。

Keynote、Pages、Numbers、フリーボードは引き続き無料です。今回追加されたテーマやテンプレート、Keynoteの画像生成などが契約者向けで、Numbersの新しい関数などは契約なしでも利用できます。

今回の更新では、撮影から編集までの連携が広がると同時に、無料アプリやMacの買い切り版にも改善が届いています。焦点やボケを撮影後に調整する新機能では、契約の有無に加えて、撮影するiPhoneと編集するMac・iPadの対応条件を満たしているかが利用のポイントになります。

Source:Apple

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