iPhoneにアップルケアは必要か?入るべきか?不要だと考える6つの理由

iPhoneにアップルケアは必要か?入るべきか?不要だと考える6つの理由(アイキャッチ)

「AppleCare+」とは、Appleデバイスにつけられる有料の製品保証のことです。

AppleCare+(Apple公式ページ)
apple.com

加入することで万が一の修理費用が割安になり、それ以外にもバッテリー交換サービスやテクニカルサポートを無制限で受けられるといったサービスが含まれます。

修理することがなくても、安心を買うという意味では加入に価値があります。一方で、安くはない加入料金ゆえに「入るべきか」と迷う人は少なくないでしょう。

「入っておけば間違いない」のは大前提です。ただ、私は「多くの人にとってAppleCare+は必要ない」と考えています。

これまで私は20台近くのiPhoneを購入しましたが、AppleCare+に入ったのは1台だけ。それも家族用のiPhoneでした。

iPhone AirとiPhone 17
直近で購入したiPhone AirとiPhone 17もAppleCare+未加入

「入っておけばよかった」と後悔したことはないですし、今後も入ることはないと考えています。もちろん、すべての人にとって不要だとは思いませんが、私のように「入らなくても困らない」人は多いはずです。

本記事は「AppleCare+ for iPhone」を対象としています。

AppleCare+とは?

AppleCare+とは、Appleデバイスのために用意された有料保証のこと。購入日から30日以内に加入する必要があり、30日を過ぎると加入することはできません。

AppleCare+とは?

  • ハードウェア製品保証の延長
  • テクニカルサポートの延長
  • 過失による損傷・故障も保証対象に(一部対象外あり)
  • 修理費用に特別価格(AppleCare+サービス料)が適用
  • 無償のバッテリー交換サービス(最大容量80%未満)
  • 盗難・紛失に対する保証(盗難・紛失プラン)

iPhoneには購入後1年間のメーカー保証(ハードウェア製品限定保証)が付帯しますが、これは初期不良や動作不良を対象とするもの。

一方でAppleCare+に加入すると、自然故障に加えて過失による損傷も対象になります(一部対象外あり)。使用者の落ち度で損傷させてしまっても対象となるため安心です。

加入料金は?

AppleCare+の加入料金は、デバイスとモデルによって異なります。iPhoneの加入料金は以下のとおりです。

通常プラン

モデル月払い一括払い(2年間)
iPhone 16e980円
(2年間で23,520円)
19,800円
iPhone 17
iPhone 16
1,180円
(2年間で28,320円)
23,800円
iPhone 16 Plus1,380円
(2年間で33,120円)
28,800円
iPhone Air
iPhone 17 Pro
iPhone 17 Pro Max
1,580円
(2年間で37,920円)
31,800円

盗難・紛失プラン

モデル月払い一括払い(2年間)
iPhone 16e1,140円
(2年間で27,360円)
22,800円
iPhone 17
iPhone 16
1,340円
(2年間で32,160円)
26,800円
iPhone 16 Plus1,540円
(2年間で36,960円)
31,800円
iPhone Air
iPhone 17 Pro
iPhone 17 Pro Max
1,740円
(2年間で41,760円)
34,800円
「月払い」の補足

月払いでAppleCare+に加入した場合、解約しない限り毎月自動更新され、3年目以降も継続されます。

「一括払い(2年間)」の補足

一括払いの場合、2年間の満了で自動的に保証が終了します。

保証終了日の翌日から45日以内に新しいAppleCare+(月払いのみ)に加入することで、2年経過後も保証を延長させられます。

修理費用に特別価格が適用

AppleCare+保証期間中は、修理費用に割安な特別価格(AppleCare+サービス料)が適用されます。さらに落下や水濡れなど過失や事故による損傷も保証対象となり、期間内であれば利用回数の制限なく修理してもらうことが可能です。

iPhoneの修理費用(AppleCare+未加入の場合)

モデル画面のひび割れ(前面)背面ガラスの損傷背面カメラその他の損傷
iPhone 17 Pro Max60,400円29,800円40,800円131,800円
iPhone 17 Pro53,800円25,900円40,800円123,800円
iPhone 1753,800円25,900円25,600円99,820円
iPhone Air53,800円25,900円25,600円114,800円
iPhone 16 Plus53,800円29,800円23,800円98,400円
iPhone 1642,800円25,900円23,800円87,800円
iPhone 16e38,800円25,900円21,800円76,800円

最終的な修理費用は見積もりの上で決定されます。

iPhoneの修理費用(AppleCare+加入の場合)

モデル画面のひび割れ(前面)背面ガラスの損傷その他の損傷
iPhone 17 Pro Max3,700円3,700円12,900円
iPhone 17 Pro
iPhone 17
iPhone Air
iPhone 16 Plus
iPhone 16
iPhone 16e

iPhoneの修理中に代替機を届けてくれる「エクスプレス交換サービス」もAppleCare+に含まれるサービスです。修理によってiPhoneが手元にない時間を最小限にしてくれます。

無料のバッテリー交換サービス

AppleCare+の保証期間内において、iPhoneのバッテリー最大容量が80%未満となった場合、無料のバッテリー交換サービスを受けられます。

バッテリー交換費用

モデル保証が対象外AppleCare+加入
iPhone 17 Pro Max
iPhone 17 Pro
iPhone Air
19,400円0円
iPhone 17
iPhone 16 Plus
iPhone 16
iPhone 16e
15,800円

テクニカルサポートが延長

Apple製品にはもともと90日間の無償テクニカルサポートがついていますが、AppleCare+に加入するとそのサポートが延長され、優先的にサポートを受けられます。

iPhoneの基本操作から、カレンダやメール、FaceTimeといったApple製アプリの操作方法、それらに関連するトラブルなどについて、優秀なオペレーターが丁寧、親切にサポートしてくれます。

盗難・紛失プランとは?

AppleCare+(for iPhone)には、通常プランに加え「盗難・紛失プラン」が用意されています。

AppleCare+ for iPhoneの盗難・紛失プラン
盗難・紛失プラン

iPhoneを盗難・紛失した場合、サービス料(12,900円)を支払うことで新しいiPhoneを用意してくれます(1年に2回まで)。

盗難・紛失の可能性は低いといえゼロではないですし、特に海外利用が多い方にとっては安心感があります。通常プランより価格は上がりますが、「万が一の盗難・紛失リスクに備えたい」という方には心強いサービスでしょう。

なお、盗難・紛失に対する保証を受けるには、そのiPhoneの「探す」設定が有効になっていて、かつ使用者のApple IDと紐づいている必要があります。

AppleCare+が不要だと考える6つの理由

AppleCare+に加入しておけば、将来かかるかもしれない高額な修理費用に備えられます。冒頭でも書いたように、入っておけば安心なのは間違いありません。

ただ、私はあえて「AppleCare+に入らない」という選択もありだと考えています。

1. 金銭的な負担が大きい

iPhone 16eの加入料金は比較的安価ですが、上位モデルのiPhone 17 ProやiPhone 17 Pro Maxとなると、一括払いで31,800円、月払いで1,580円(2年間で37,920円)とそれなりの価格に。

安心面では魅力的でも、実際に使わない可能性が圧倒的に高い保証に2万円、3万円をかけるのはちょっと……というのが私の率直な感覚です。

加入料金とリスクを天秤にかけたとき、これまで20台近く買い替えてきて未加入を後悔したことのない私からすると、「もったいない」という気持ちが勝ちます。

2. 機能に影響しない損傷は保証対象外

AppleCare+では、すべての損傷が保証対象となるわけではありません。

保証対象外となる例

  • 経年劣化や機能に影響しない外観上の損傷
  • 盗難や紛失(盗難・紛失プランでは保証対象)
  • Appleが意図しない方法での使用によって生じた損傷
  • 改造や改変されている場合
  • Appleが認める正規店以外で修理されている場合
  • 火災や地震などの外的要因によって生じた損害
  • 金銭的利益を得る目的での使用

ディスプレイに傷が付いた場合でも、「機能に影響しない外観上の損傷」と判断されれば保証対象外となり、通常の修理費用がかかってしまいます。

iPhoneのディスプレイについたひっかき傷
機能に影響しない外観の傷は補償対象外

「保証が切れる前に修理に出してキレイにしてもらおう」ということはできません。画面割れなど機能への影響が明確な場合は保証対象になり得ますが、最終的な判断はAppleの基準に委ねられます。

3. 条件が厳しいバッテリー交換サービス

AppleCare+の保証期間内かつiPhoneのバッテリー最大容量が80%未満となった場合は、無料のバッテリー交換サービスを受けられます。

この「バッテリー最大容量が80%未満」というハードルが高く、2年以内に80%を切るのは現実的に難しい、というのが私の印象です。

約1年使用したiPhone 16 Proのバッテリー最大容量を見ると、「98%」となっていました。

約1年使用したiPhone 16 Proのバッテリー最大容量
約1年使用したiPhone 16 Proのバッテリー最大容量(充電上限80%に設定して使用)

バッテリーの劣化を軽減するために充電上限を80%に設定して使用したとはいえ、1年の使用で98%です。意図的にバッテリーに優しくない使い方をしたとしても、2年で80%を切るのは難しい印象です。

AppleCare+は2年経過後も延長できます。保証を延長してバッテリー劣化を待つこともできますが、当然毎月の加入料金がかかります。であれば、有料でも自分のタイミングでバッテリー交換するほうがいいでしょう。

4. 損傷リスクは抑えられる

AppleCare+に入らないことで起こり得る最悪なケースは、修理が必要になったときに高額な修理費用が降りかかってくること。その結果、修理せずに買い替えざるを得ないこともあるかもしれません。

AppleCare+に入っておけば、その最悪なケースに備えられるわけですから、やはり「入っておくに越したことはない」のは間違いありません。

ただ、保護ケースやガラスフィルムを装着することで、損傷させてしまう確率を下げることはできます。

iPhone Airに装着した保護ケース

対策したとしても破損させる可能性はゼロにはなりませんが、私はAppleCare+に入らない代わりにしっかり保護対策しておく、という考えはありだと思っています。

万が一の高額な修理費用を承知した上で、iPhoneを損傷させないように対策し大切に扱う。私はまさにこの考えでAppleCare+に入っていません。

5. クレカ付帯のスマホ保険

一部のクレジットカードには、修理や盗難、紛失に対する保証が付帯します。

  • JCBスマートフォン保険
  • アメリカンエクスプレスのスマートフォン・プロテクション
  • イオンカードのショッピングセーフティ保険
  • dカード ケータイ補償など

補償内容や補償金額、条件はお持ちのクレカによって異なり確認が必要ですが、多くは年会費に含まれており追加料金は不要です。

私はiPhoneを購入するときにはアメリカンエクスプレスカードを使います。毎月の通信料をカードで支払っていることが条件で追加料金は不要。ゴールドカードの場合、補償限度額は5万円です(1回5千円の免責あり)。

すべてのカードに同様の補償があるわけではありませんが、ショッピング関連の保険や補償が付帯していることが多いので、いま一度確認してみてください。もし付帯していれば、AppleCare+に入らない理由のひとつになります。

6. 盗難・紛失の可能性は低い

AppleCare+には通常プランとは別に「盗難・紛失プラン」が用意されていますが、実際のところ盗難・紛失の可能性はどれほどあるでしょうか。

一般的に、日常で盗難や紛失に遭う確率は高くないでしょう。海外などリスクの高い環境でなければ、その可能性はかなり低いはずです。紛失時も「探す」で位置情報を確認できます。実際には完全に紛失しまう状況はほとんどないでしょう。

AppleCare+が必要なパターンとは?

ここまで「AppleCare+が不要な理由」を書いてきましたが、これはあくまでも私の考えです。加入を全否定するつもりはありません。

続いては、AppleCare+への加入を検討すべきパターンを挙げていきましょう。

1. 「安心料」として割り切れる

やはり「万が一の高額な修理費用に備えられる」という安心感が大きいかと思います。安心料として加入料金を支払っておけば、高額な修理費用に頭を悩まされることはありません。

「損傷させてしまう可能性は低い」とか「保護対策で損傷リスクを減らせる」といった私の主張は、あくまでも私個人の経験に基づく結果論。可能性は低くてもあり得ますし、その人の使い方によっても変わってくるでしょう。

「万が一にも高額な支払いは避けたい」と考えるなら、AppleCare+に加入すべきです。

2. 損傷リスクが高い環境で使う

スポーツやアウトドアに持ち出すなど、リスクの高い環境で使うことが多い場合は、AppleCare+に入っておけば安心です。実際に登山中にiPhoneを落とし画面を損傷させてしまった友人は、AppleCare+のおかげで安く修理できました。

また「不器用でよく落としてしまう」という人もいるかもしれません。そんな人のiPhoneを見るといつも画面がバキバキですが、AppleCare+に入っていれば回数無制限で安く修理できます。

3. テクニカルサポートを活用したい

AppleCare+にはテクニカルサポートが含まれており、Apple製品の操作方法や設定についてのサポートを回数無制限で受けることができます。

一般的に、このようなサポートサービスの利用料金は高額です。ひとつ質問するだけで数千円、パッケージになっているものだと数万円することもあります。

AppleCare+に加入すれば利用料金を気にせずサポートを受けられます。サポートを使い倒したい方なら加入料金以上のサービスを受けられるでしょう。

代替には「モバイル保険」がおすすめ

AppleCare+の代替として、スマホやタブレット、パソコン、ワイヤレスイヤホンなどを対象とした補償サービス「モバイル保険」がおすすめです。

モバイル保険(公式ページ)
モバイル保険

主端末1台・副端末2台の合計3台のデバイスを登録でき、画面割れや水没、その他の損傷などを対象に、主端末は最大10万円、副端末は最大3万円の補償を受けられます(年間で合計最大10万円)。

Wi-FiやBluetoothなど無線接続に対応するデバイスなら登録可能。iPhoneやiPad、Mac、Apple Watch、AirPodsまでカバーできます。サービスはAppleCare+ほど手厚くありませんが、少額で複数デバイスの修理費用に備えられるコスパ抜群の保険です。

\ 月額700円で3台の修理費用に備える! /

AppleCare+が必要ない人も大勢いる

本記事では、「AppleCare+は必要か?入るべきか?」をテーマに、その必要性について整理してご紹介しました。

「加入しておけば安心」なのは紛れもない事実です。思わぬ修理費用に悩まされることはないですし、無制限に使えるテクニカルサポートも心強いサービスです。人によっては入っておく価値は十分にあります。

しかし、私の結論としては「必要ない人も大勢いる」というものです。特に以下に当てはまる方は、AppleCare+に加入しなくても後悔しにくいでしょう。

  • 加入料金が負担に感じる
  • 保護ケースやガラスフィルムでしっかり保護する
  • これまで修理が必要なほど損傷させたことがない
  • クレカ付帯の補償やモバイル保険などの備えがある
  • 万が一の修理費用を覚悟できる

上でも書いたように、これまで20台近くiPhoneを購入してきて「AppleCare+に入っておけばよかった」と後悔したことは一度もありません。今後も加入することはないでしょう。

あくまでも一人のiPhoneユーザーの意見ではありますが、AppleCare+に加入するかどうかの判断材料として役立てていただければと思います。

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