iPhone 18 Pro向けとされるチップ約10億ドル分が、メモリ不足で工場に足止めされているという情報が海外から出てきました。値上げの心配に続いて、今度は「発売後にちゃんと買えるのか」という懸念も出てきました。
チップは順調に作れている、届かないのはメモリ
情報の出どころは、Bloombergで長くアジアの半導体業界を取材してきた台北在住のジャーナリスト、Tim Culpan氏です。同氏によると、iPhone 18 ProやPro Max、折りたたみiPhoneに載るとされる「A20 Pro」チップと「C2」モデムのウェハが、製造元のTSMCに約10億ドル分積み上がっているといいます。10億ドルという規模は同氏の見積もりです。
チップそのものは順調に作れていて、問題は組み合わせるメモリ(DRAM)が届かないこと。今回のチップは「WMCM」という新しいパッケージング技術で、プロセッサとDRAMをひとつの部品に一体化して仕上げるため、届かなければ最終工程に進めず、あとから足すこともできないのだそうです。背景にあるのは、AIデータセンター向けに吸い上げられているメモリの世界的な争奪戦です。
同氏はまた、AppleのDRAM調達は米Micron(マイクロン)が中心で、Appleと組立業者が発売前の確保に駆け回っているとも伝えています。なお、この件の情報源はCulpan氏の1本だけで、海外の各メディアも同氏の記事を引いている段階。AppleもTSMCも、公式には何も述べていません。
Apple自身も現行製品の供給難は認めている
この話をどこまで重く受け取るか。手がかりになるのが、Appleが7月30日の決算説明会で自ら語った見通しです。この夏に起きたiPhone・Mac・iPadの供給制約について、影響は9月末までの四半期でさらに大きく広がる、と説明しています。
つまり「部材が足りず、作りたい分を作れない」状況そのものは、Appleみずから認めている現実です。ただしこの説明は現行製品についてのもので、iPhone 18 Proの話ではありません。
しかもクックCEOは、制約の主因はメモリではなく、チップを製造する最先端ラインの能力だと説明しています。時期も対象も違う話なので矛盾とまでは言えませんが、今回の「メモリ待ち」説をそのまま裏書きする説明でもありません。
品薄の程度も、実は控えめです。Culpan氏自身、発売日の初回分は確保できる見込みで、心配なのはその後──オンライン注文の納期が伸び、店頭在庫が細っていくおそれがある、としています。「発売直後から買えなくなる」といった話ではありません。
Appleのメモリ値下げ交渉も不調か
メモリをめぐっては、もうひとつ動きがあります。韓国の経済メディアによると、Appleは中国のメモリ大手CXMTにモバイル向けDRAMの値下げを持ちかけ、断られたとのこと。CXMTの生産分はHuaweiやXiaomiが高い単価の長期契約で先に押さえており、Appleの注文に頼る必要がなかった、と伝えられています。
安い調達先を確保して、SamsungとSK hynixとの価格交渉を有利に運ぶ狙いだったが、かえって韓国2社の強気を許した──そんな見方も、半導体業界に強い台湾メディアから出ています。メモリを安く仕入れる道が細れば、9月の新型iPhoneに出ている値上げの観測を後押しする、嫌な流れですね。
買うと決めている人は、いつ動く?
確実に発売日に手にしたいなら、勝負は予約の初動です。例年どおりなら、予約開始は発表と同じ週の金曜日にやってきます。
Culpan氏の予測どおりなら初回分は確保される見込みなので、予約開始直後に注文すれば発売日に受け取れる可能性は高いかと思います。Apple公式サイトのメンテ画面の前で待機、という感じですね。
一方で、急がないなら慌てる必要もありません。品薄はあくまで予測で、外れて普通に買える可能性もあります。仮に納期が伸びても、値上げと入手性の両方に不安が出ている新型を無理に追いかけず、現行モデルや中古まで選択肢を広げて考えるのも手です。
参考:Tim Culpan氏・Digital Daily・DigiTimes・Six Colors・MacRumors・9to5Mac・AppleInsider