「iPadの中古はやめたほうがいい」と言われることがあります。確かに中古iPadには、外装の傷や使用感、バッテリーの劣化、iPadOSのサポート切れといったデメリットがあるのは事実です。
一方で、円安や高性能化によって新品iPadの価格が上がっていることもあり、状態の良いものを選べばかなりお得なのもまた事実。最新のiPadOS 26も、2019年前後のモデルまで広くサポートしており、中古でも選びやすいモデルがたくさんあります。
そこで本記事では、
これらについてまとめました。
「中古iPadで失敗したくない」「新品にするか迷っている」という方に参考にしていただける内容となっています。ぜひチェックしてみてください。
結論:中古iPadが「アリ」な人「ナシ」な人
中古iPadは、人によっては「アリ」な選択肢ですが、そうではない「ナシ」な人がいるのも確かです。最初に結論として、「アリ」な人と「ナシ」な人をまとめました。
「アリ」な人
中古iPadが「アリ」なのは次のような人です。
これらに当てはまるのなら、わざわざ価格の高い新品を選ぶ理由が薄れます。ぜひ中古iPadを検討してみましょう。
「ナシ」な人
逆に、次のような人は中古ではなく新品(もしくはApple認定整備済製品)を選んだほうがいいでしょう。
品質・保証ともに新品レベルを求めるなら、それこそ新品かApple認定整備済製品を選んだほうが満足度は高くなります。
中古iPadはやめたほうがいいと言われる理由
中古iPadが「やめたほうがいい」と言われがちな理由は、大きく分けるとこの5つです。
- 外装の傷や使用感
- バッテリーの劣化
- iPadOS/アプリのサポート切れリスク
- Appleによるメーカー保証がない
- 個人間取引ならではのトラブル
外装の傷や使用感
中古である限り、多少の傷や使用感は避けられません。なかには新品同然の中古iPadも販売されていますが、基本的に傷や使用感はあるものとして考えておいたほうがいいでしょう。
「ケースを付けるからOK」「使用に支障がないのなら気にならない」という人なら問題ありませんが、「わずかな傷も気になってしまう」という人は、中古iPadそのものが向いていません。
バッテリーの劣化
iPadに限らず、リチウムイオンバッテリーは充電と放電を繰り返すたびに劣化していきます。
AppleはiPadのバッテリーについて、
iPadのバッテリーは、フル充電サイクルを1,000回繰り返した時に、本来の容量の最大80%を維持できるように設計されています。
と説明しています。
ざっくり1日あたり0.5〜0.8サイクルだとすると、2〜4年ほどで80〜90%まで劣化する、というイメージです。
購入前に正確なバッテリーの状態を把握するのは難しく、この点では「若干のガチャ要素」があるのは事実です。「思いのほか劣化がなかった」ということもあれば、「発売時期のわりに劣化が進んでいる」ということもあり得ます。
iPadOS/アプリのサポート切れリスク
iPadOSは毎年のメジャーアップデートがあり、記事執筆時点での最新は「iPadOS 26」です。
iPadOS 26対応モデル
- iPad(第8世代以降)
- iPad mini(第5世代以降)
- iPad mini(A17 Pro)
- iPad Air(第3世代以降)
- iPad Air(M2以降)
- 11インチiPad Pro(第1世代以降)
- 12.9インチiPad Pro(第3世代以降)
- iPad Pro(M4以降)
サポート対象外となったモデルに対しては「セキュリティアップデート」の配信があるため、すぐに使えなくなるわけではありません。しかし、
- 新機能が使えない。
- アプリ側のサポートも対象外となり最新バージョンを使えない。
- セキュリティアップデートの提供も、いずれはストップする。
といったリスクが時間経過とともに大きくなります。
中古iPadを選ぶときにあまりに古いモデルを選んでしまうと、「買ってすぐにサポート終了」「そもそも最新iPadOSに対応していない」という落とし穴にはまりがちです。
Appleによるメーカー保証がない
中古iPadの場合、Appleによるメーカー保証はありません。厳密には「購入から1年以内のもの」なら保証が残っていますが、基本的にはないものとして考えておいたほうがいいでしょう。
AppleCare+に加入できるケースはほとんどないため、万が一の際には高額な修理費用がかかる可能性もあります。中古スマホ・中古タブレットでは、高額な修理費用を支払ってまで使い続けることはあまりないのではと思います。
中古ショップで購入すれば数か月の保証が付きますが、それはショップ独自のものでAppleによる保証ではありません。「Appleの保証が欲しい」という人は、新品あるいはApple認定整備済製品となります。
個人間取引ならではのトラブル
フリマアプリやオークション、SNSなどでの個人間取引は、掘り出しものに出会える可能性がある反面、特有のリスク・トラブルがあります。
- 写真ではキレイだったのに、実物は違った。
- 説明のない傷や動作不良があった。
- よくよく確認すると相場からかけ離れた価格だった。
- アクティベーションロックやネットワーク利用制限の問題があった。
知識のある人であれば、入念な事前確認で防げることもあります。しかし、そうではない人だと満足のいく買い物ができなかったり、トラブルに発展してしまったりすることもあるでしょう。
それでも中古iPadが「アリ」な5つの理由
「やめたほうがいい」と言われることもある中古iPadですが、それでも私は「アリ」だと考えています。その理由をご紹介していきましょう。
型落ちでも性能は十分
2025年10月にiPad Pro(M5)が発売されましたが、正直なところ、頭打ち感を感じるほどに高性能で高機能です。Appleは「AIタスクを劇的に加速」とうたっていますが、一体どれほどのiPadユーザーがオンデバイスでAIを使っているのか、と考えるとほとんどいないのではと思います。
- WebブラウジングやSNSの利用
- YouTubeなどの動画視聴
- ノートアプリやPDF閲覧、書き込み
- かんたんな画像編集や動画編集
こういった用途なら、型落ちモデルでも十分こなせる性能があります。最新モデルと比べても体感差は少ないでしょう。
「MシリーズのiPad ProやiPad Airはオーバースペック気味」「そこまでヘビーな使い方をしない」という人が圧倒的多数であること踏まえると、日常使いに困らないほどの性能・機能があり価格も安い型落ちの中古iPadは「お買い得なゾーン」に入ります。
iPadOSの長いサポート期間
最新のiPadOS 26は、2018年発売の11インチiPad Pro(第1世代)や2019年発売のiPad mini(第5世代)といったモデルまでカバーしています。
2〜3年前に発売されたモデルでも、数年はiPadOSのサポートに期待できます。この長いサポート期間も、中古iPadが「アリ」な理由のひとつ。中古でも長く最新機能を利用できます。
「OS的な寿命」がすぐに来てしまうリスクは、しっかりモデルを選べば回避できます。サポート期間はモデルによって異なりますし、すべてはApple次第。それでも、6〜7年も前に発売されたモデルまでサポートしてくれるのは良心的だと感じます。
コストパフォーマンスが高い
現行モデルの価格を見ると、もっともお手軽な無印iPadで58,800円〜、ハイエンドのiPad Proでは168,000円〜と、円安の影響もあって新品の敷居は以前より確実に上がっています。
| モデル | 128GB | 256GB | 512GB | 1TB | 2TB |
|---|---|---|---|---|---|
| iPad (A16) | 58,800円 | 74,800円 | 110,800円 | ─ | ─ |
| iPad mini (A17 Pro) | 78,800円 | 94,800円 | 130,800円 | ─ | ─ |
| iPad Air 11インチ/M3 | 98,800円 | 114,800円 | 150,800円 | 186,800円 | ─ |
| iPad Air 13インチ/M3 | 128,800円 | 144,800円 | 180,800円 | 216,800円 | ─ |
| iPad Pro 11インチ/M5 | ─ | 168,800円 | 204,800円 | 272,800円 | 340,800円 |
| iPad Pro 13インチ/M5 | ─ | 218,800円 | 254,800円 | 322,800円 | 390,800円 |
税込価格。Wi-Fiモデルの価格。
最新の性能・機能をフルに活用できる人であれば、新品の現行モデルを選ぶ理由になるでしょう。しかし、性能・機能を持て余してしまう人にとっては、コスパの悪い選択肢になり得ます。
型落ちでも性能・機能は十分、iPadOSのサポート期間にも余裕があるiPadを、割安で手に入れられるのが、中古iPadの大きな魅力です。
中古ショップなら保証付きで安心
中古ショップで購入すれば数か月間の独自保証が付きます。ショップによって異なるため確認が必要ですが、人気の大手中古ショップ「イオシス」では3か月保証が用意されており、保証期間中は動作不良に対して交換または返金で対応してくれます。
中古ショップによる保証サービスが充実していることも、中古iPadが「アリ」な理由です。Appleによるメーカー保証がないのはデメリットですが、その代わり中古ショップでは独自保証や赤ロム保証など安心して購入できる保証制度が整っています。
注意点は?中古iPadを選ぶときのポイント
中古iPadを購入する際に抑えておきたい注意点・ポイントをまとめておきます。
よくある質問
- 中古iPadはどこで買うのがおすすめ?
-
おすすめは「イオシス」です。価格が安く3か月保証で安心、1年を通じて在庫も充実しています。中古スマホ/タブレット/PCを扱う老舗の中古ショップで、信頼性も申し分ありません。
おすすめの中古ショップは以下の記事で詳しくご紹介しています。
- 中古iPadのおすすめモデルは?
-
おすすめしやすいのは、iPadOSサポート期間に余裕がありUSB-Cポートを搭載、古すぎず、でも価格がこなれてきている以下のモデルです。
- iPad(第10世代/A14以降)(2022年発売)
- iPad mini(第6世代/A15以降)(2021年発売)
- iPad Air(第5世代/M1以降)(2022年発売)
- 11インチiPad Pro(第4世代/M2以降)(2022年発売)
- 12.9インチiPad Pro(第6世代/M2以降)(2022年発売)
SNS閲覧用や動画視聴用などと用途が限られるなら、より価格が下がっている上記よりも古いモデルも選択肢に入ってきます。
- Apple Intelligence対応モデルは?
-
以下のモデルに対応します。
- iPad mini(A17 Pro)
- iPad Air(M1以降)
- iPad Pro(M1以降)
作文ツールなどのApple Intelligence関連機能をiPadでも使いたい方は、上記モデルを選びましょう。
- iPadの寿命は何年?どれくらい使える?
-
iPadに決められた寿命・使用期限はありませんが、以下が目安になります。
- 最新iPadOSのサポート:発売から4〜7年程度(モデルによる)。
- セキュリティアップデート:販売終了から7年程度で完全にストップ。
- ハードウェア修理サービス:販売終了から5年経過で修理・バッテリー交換できない可能性(ビンテージ製品)。7年経過で修理サービスは完全に終了(オブソリート製品)。
iPadOSやセキュリティアップデートの配信がいつまで続くのかは、モデルによって異なります。すべてのモデルに当てはまらない点には注意ですが、物理的に壊れない限りは、発売終了から最大7年程度は使用できます。
- 中古iPadでも入れる保証は?
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イオシスの「イオサポ」やゲオオンラインストアの「proteger」など、中古ショップでは有料で延長保証が用意されている場合があります。
月額700円で3台まで補償サービスを受けられる「モバイル保険」では、販売店によって3か月以上の保証があるものなら中古iPadも加入できます。
- Apple認定整備済製品とは?
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Apple認定整備済製品とは、返品された製品などをAppleが新品レベルにまで整備し販売されているものです。Apple公式サイト内の「Apple認定整備済製品ページ」で購入できます。
iPad整備済製品には、「新しいバッテリーと外装」が使用されます。中古iPadとは異なり「ほぼ新品」です。新品と同じように1年保証(ハードウェア製品限定保証)が付き、AppleCare+への加入も可能です。
在庫に並ぶのは型落ちモデル中心。価格も中古iPadと比べると高くなりますが、「最新モデルにはこだわらないけど新品レベルの品質と保証があれば嬉しい」という方にぴったりです。
- 中古iPadと学割はどっちが安い?
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価格が安いのは中古iPadです。型落ちから現行モデルまで、予算に応じてたくさんの選択肢から選べます。
一方、Appleの学割で購入できるのは現行モデルのみです。通常価格よりも安くなっているとはいえ、中古iPadと比べると選択肢は限られます。
ただし、「新品の現行モデル」を狙うなら学割がもっとも安いです。あなたが学割対象者なのであればチェックしておいて損はないでしょう。学割はApple公式サイト内の「Apple学生・教職員向けストア」で利用できます。