Apple製品の値上げが6月と7月の2回にわけて実施されましたが、この流れはまだ終わりそうにありません。
原因はメモリ価格の急騰です。9月に発表が見込まれる新型iPhoneにも、値上げの観測が出てきました。
日本では6月と7月に値上げ済み
6月と7月の値上げは性質が異なり、6月は世界共通の改定、7月は日本だけの改定です。7月の値上げは、主に円安が要因となっているのでしょう。
- 6月25日(Mac・iPadなど)
13インチMacBook Airが184,800円→224,800円、11インチiPad Airが98,800円→129,800円など、値上げ幅は約20〜32%。世界共通の改定で、Appleは部品価格の急激な上昇を理由に挙げた。 - 7月18日(iPhone・Apple Watch・AirPodsなど)
iPhone 17が129,800円→142,800円、AirPods Pro 3が39,800円→42,800円など、約7〜12%の値上げ。こちらは日本だけの改定で、海外の主要ストアでは同じ変更が確認されておらず、円相場を反映した調整とみられる。
7月の値上げの全対象は、こちらの記事にまとめています。
メモリ価格は「100年に一度」の高騰
値上げの背景にあるのは、AIデータセンターの建設ラッシュによるメモリの争奪戦です。スマホやパソコンに使うDRAMやストレージの生産枠が、AIサーバー向けに吸い上げられています。
Appleのティム・クックCEOは、7月30日の決算説明会でメモリ価格の上昇を「100年に一度の洪水」と表現しました。6月には米ウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューでも「値上げは避けられない」と語っており、6月25日の値上げはその直後に実施されています。
供給側の見通しも明るくありません。半導体業界の動向に強い台湾メディアによると、DRAM大手3社(Samsung・SK hynix・Micron)は、2027年に生産する分まですでに売約済みとのこと。SK hynixのCEOは「来年は業界史上最悪の年になる」と予測し、Samsungの幹部も、供給制約は2026年より2027年の方が深刻になるとの見方を示しています。
実売価格への波及も始まっています。海外メディアの調べでは、パソコン向けDDR5メモリの小売価格はこの1年半で約6倍、SSDは約3倍に上がっているとのことです。
9月の新型iPhoneに値上げの観測
次の焦点は、9月に発表が見込まれるiPhone 18シリーズがどうなるかということでしょう。
iPhone 18 Proの開始価格は、現行iPhone 17 Proの1,099ドルから1,299ドル以上へ上がり、1,399ドルに達する可能性が高い──そんな試算を米ウォール・ストリート・ジャーナルが出しています。Appleのサプライチェーン予測で知られるアナリストのJeff Pu氏も、ProとPro Maxがともに250〜300ドル上がるとの予測です。
一方で、この上げ幅を疑問視する見方もあります。300ドルは現行比で約27%に相当し、ここまでの引き上げはiPhoneでは例がなかった、というのが理由です。値上げの方向では一致しつつ、幅の見方が割れている状況ですね。
日本価格の公式な手がかりはまだありませんが、現行の値付けから目安は出せます。iPhone 17 Proは米国で1,099ドル、日本で194,800円──消費税を除いて比べると、1ドル=約161円の換算です。
同じ換算を当てはめると、1,299ドルは税込で約23万円、1,399ドルなら約24万8,000円。現行より3万5,000円〜5万3,000円ほど高くなる計算です。これはあくまでも試算で、実際の日本価格は為替や端数の調整で変わります。日本での価格がどうなるかは、9月の発表で注目したいところです。
MacBook Airは品薄で最長1か月待ち
値上げと並行して、店頭では品薄も表面化しています。米Bloombergの記者によると、M5 MacBook Airはメモリの調達難で在庫が逼迫し、小売関係者が「記憶にある限り最も品薄」と語る状況とのこと。
日本も例外ではありません。Apple公式サイトで確認したところ(8月6日時点)、MacBook Airの配送見込みは13インチが8月22日〜29日、15インチが8月29日〜9月5日。いま注文すると、届くのは2週間強〜1か月先です。
一方、同じ日に確認したMacBook ProとiPad Airは翌日に届く見込み。確認した中で待たされるのは、MacBook Airだけでした。
ポイントは9月の発表
「価格が落ち着いてから買おう」というスタンスは、情勢から見て分が悪そうです。メモリ大手の経営陣から2027年をさらに深刻とみる発言が続いており、値下がりの材料が見当たりません。
iPhoneは、急ぐ理由がなければ9月の発表を待つのが得策です。新型の価格が判明するうえ、例年どおりなら旧モデル(今回はiPhone 17)の値下げも期待できます。ただし今年は、コスト高で旧モデルが据え置きになる見方もあり、確実に安くなるとは言えません。
MacとiPadは逆で、値上げ後の価格が当面の基準になりそうです。必要になったときが買い時と割り切りつつ、新品より最大15%安い整備済製品や型落ちに選択肢を広げる手もあります。
参考:Bloomberg(Power On)・The Wall Street Journal・DigiTimes・9to5Mac・AppleInsider・MacRumors・Apple公式