毎日充電して、毎日身につける。Apple Watchはそんなデバイスだけに、バッテリーは着実に劣化していきます。長く使っていれば「最近、1日持たなくなってきた」「充電の減りが早くなった気がする」と感じるタイミングがいずれやってきます。
そこで本記事では、Apple Watchのバッテリー交換にかかる費用と依頼先、無料で交換できる条件、そして交換と買い替えのどちらを選ぶべきかを解説します。
「そろそろバッテリーが限界かも」と感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。
Apple Watchのバッテリー交換費用はいくら?
Apple公式のバッテリー交換(バッテリー修理)の見積額は、機種を問わず一律17,400円です。AppleCare+に加入していて条件を満たす場合は、無料で交換できます。
主な依頼先と料金をまとめると、次のとおりです(2026年7月時点)。
| 依頼先 | 料金 | 補足 |
|---|---|---|
| Apple(持ち込み・配送) | 17,400円 | 全機種一律の公式見積額。最終額は診断後に確定し、配送修理では配送料がかかる場合あり。 |
| クイックガレージ(正規サービスプロバイダ) | 15,800円(税込) | Series 6以降/SE/Ultraの公開価格。2026年7月18日時点でApple公式の値上げには未追随 |
| カメラのキタムラ(正規サービスプロバイダ) | 19,100円(税込) | 全モデル一律。AppleCare+適用時は0円。こちらも2026年7月18日時点で未追随 |
| ビックカメラ(正規サービスプロバイダ) | 15,800円(Series 3のみ12,800円) | 2025年9月11日基準の掲載額。最新の料金・受付可否は要確認。 |
| 非正規の修理店 | 8,800円〜(店舗による) | 安いがリスクあり(後述) |
Apple公式の見積もりは機種を選んで表示する方式ですが、Series 6以降・SE(初代〜SE 3)・Ultra(初代〜Ultra 3)のどのモデル・素材・サイズを選んでも、バッテリー修理は17,400円で共通です。
一方、「正規ルートならどこに出しても同じ料金」とは限りません。Apple正規サービスプロバイダは料金を独自に設定できる仕組みになっており、同じ正規ルートでもキタムラは19,100円、クイックガレージは15,800円と差があります。
なお、Apple公式の見積もりには「最終的な料金は診断・検査のうえで確定する」「別途消費税がかかる」という注記があります。画面割れなど他の損傷があると、バッテリー修理ではなく「その他の損傷」の扱い(モデルによって35,800〜87,800円)になることもあるので、申し込み前にApple公式の修理ページで自分の機種の見積もりを確認しておくのが確実です。
AppleCare+なら無料、ただし「最大容量80%未満」が条件
AppleCare+に加入している場合、バッテリー交換は追加料金なしで受けられます。ただし、誰でも受けられるわけではありません。
保持する容量が本来の容量の80%未満になったApple Watchのバッテリーは、保証の対象です。
ポイントは「80%未満」という言葉です。79%なら対象ですが、ぴったり80%は「未満」に入らないため対象外です。よく「80%以下で無料交換」と書かれた記事を見かけますが、正確には「未満」です。
もうひとつ押さえておきたいのは、無料になるかどうかを判定するのはApple(または受付店舗)の診断だという点です。Apple Watchの画面に表示される「最大容量」は自分で確認できる目安であって、79%の表示を見せれば自動的に無料が確定する、という仕組みではありません。
ちなみに、お金を払って交換するつもりでも、容量が80%を上回っていると「バッテリーは正常」と診断されて断られた、という報告もあります。交換を申し込む前に、まず自分のWatchの最大容量を確認しておきましょう(確認方法は後述します)。
なお、購入時に付いてくる1年間のメーカー保証(限定保証)は、製造上の欠陥を対象とするものです。通常使用によるバッテリーの劣化は対象外なので、「保証期間内だから無料」とはなりません。
AppleCare+の加入料金
AppleCare+ for Apple Watchの料金は次のとおりです。2026年7月に値上げされたばかりなので、古い記事の金額には注意してください。
| モデル | 一括払い | 月払い |
|---|---|---|
| Apple Watch SE 3 | 7,400円 | 380円 |
| Apple Watch Series 11 | 12,800円 | 680円 |
| Apple Watch Ultra 3 | 16,800円 | 880円 |
| Apple Watch Hermès | 24,800円 | 880円 |
一括払いの保証期間は2年間(Hermèsのみ3年間)です。加入できるのは、原則として本体の購入日から30日以内。「バッテリーが劣化してきたから今から入ろう」はできません。
どこで交換できる?依頼先は4つ
Apple Watchのバッテリー交換の依頼先は、大きく分けて4つあります。順番に見ていきましょう。
1. Apple(持ち込み・配送修理)
もっとも確実なのが、Apple直営の修理サービスです。Apple Storeへの持ち込み(Genius Barの予約が必要)と、配送修理の2つの方法があります。
配送修理の場合、申し込むとApple Watchを送るための送料支払い済みの配送箱が届きます。来店予約は不要で、都合のよいタイミングで発送すればOK。到着後にAppleが診断し、料金とサービス内容が確定してから修理・返却という流れです。
なお、Apple Watchの修理日数について、Appleは「何日で返却」という固定の日数を公表していません。配送修理で集荷から5日で戻ってきたという報告例はありますが、部品や混雑状況によって変わると考えておきましょう。
参考:AppleによるApple Watchのサービスと修理 – Apple サポート (日本)
2. Apple正規サービスプロバイダ(ビックカメラ・カメラのキタムラなど)
Apple正規サービスプロバイダ(AASP)は、Appleの認定を受けた正規の修理窓口です。ビックカメラ、カメラのキタムラ、クイックガレージなどの店舗で受け付けています。
純正部品・正規ルートという安心感はAppleと同じですが、前述のとおり料金は店舗ごとに独自設定です。日数の目安はクイックガレージで3〜7日、キタムラで2〜10日ほど。即日交換には対応していません。
注意したいのは、店頭で受け付けても、その場で交換されるわけではないという点です。多くの場合、Appleのリペアセンターへ送って対応されます。
料金は店舗ごとの独自設定なので、Apple公式より高いこともあれば安いこともあります。2026年7月時点では、クイックガレージが公式より1,600円安く、キタムラは1,700円高いという状況です。
とはいえ、正規サービスプロバイダの料金もApple公式の改定に合わせて上がる可能性があります。依頼する前に、各店舗の最新の料金を確認してみてください。
3. 非正規の修理店
街の修理店でもApple Watchのバッテリー交換を受け付けているところがあります。料金は正規より安く、たとえば8,800円〜という店舗もあります。最短2〜3時間で交換できるスピード感も魅力です。
ただし、安さと引き換えのリスクは知っておくべきです。
- 耐水性能が落ちる可能性
Apple Watchは画面が接着剤で密封されており、開けて再接着しても、購入時と同じ耐水性能が保証されるわけではない。 - Appleの保証に影響する可能性
非正規修理に起因する損傷は、AppleCare+や限定保証の対象外になる。 - 「総務省登録修理業者」はApple公認ではない
登録番号を掲げる店舗もありますが、これは国の制度であって、Apple認定や純正部品の使用を意味しない。
正規ルートで修理できる機種なら、価格差を考えても正規をおすすめします。非正規が現実的な選択肢になるのは、後述する「Appleが修理を終了した古い機種」の場合でしょう。
4. 自分で交換する(DIY)
Amazonなどでは交換用バッテリーと工具のキットが売られていますが、正直おすすめしません。
Appleが部品と手順を提供する公式のセルフリペアプログラム(Self Service Repair)に、Apple Watchは含まれていません。つまり自分で交換する場合、非公式の部品と手順に頼ることになります。
分解手順を公開しているiFixitでも、Apple Watchのバッテリー交換の難易度はほとんどのモデルで「Difficult(難しい)」。画面を温めて接着剤を柔らかくし、数ミリの隙間に薄い刃を差し込んで開ける作業で、少し深く入れるとディスプレイケーブルを切断してしまいます。失敗すれば、バッテリー代どころか本体を失うことになりかねません。
実は修理ではなく「本体ごと交換」になることが多い
「バッテリー交換」という名前から、自分のApple Watchの電池だけを入れ替えて返してもらえる、とイメージするかもしれません。ところが実態は少し違うようです。
Appleの規約では、修理サービスの内容は「純正部品を使って修理する」か「同等の製品と交換する」かをAppleが判断する、とされています。バッテリーだけの交換が約束されているわけではないんですよね。
実際、交換に出した人の体験談を見ると、「傷だらけだった本体が、傷ひとつない状態で戻ってきた」「シリアル番号が変わっていた」という本体ごと交換の報告が目立ちます。
つまり、バッテリー交換のつもりが、実質的には整備済みの同等品への「乗り換え」になるケースが多いようです。使い込んで外装がくたびれた個体なら、2万円弱の交換費用で本体ごとリフレッシュされる可能性があるわけです。そう考えると悪くない話ですね。
ひとつ注意したいのが、「交換で新しいモデルにアップグレードされるかも」という期待です。規約上は「場合によっては後継モデルとの交換もあり得る」と読める書き方になっていますが、実例は確認できませんでした。あくまで規約上の可能性で、期待しないほうがよさそうです。
そして本体ごと交換される可能性が高いからこそ、交換に出す前の事前準備(バックアップとペアリング解除)が重要になります。手順はのちほど説明します。
バッテリーの劣化度を確認する方法
自分のApple Watchのバッテリーがどれくらい劣化しているかは、Apple Watch本体で確認できます。
「設定」>「バッテリー」>「バッテリーの状態」を開くと、新品時からどれだけ容量が残っているかが「最大容量」として表示されます。

私はApple Watch Ultra 3を発売日(2025年9月19日)に購入しましたが、約10か月使った時点で最大容量は100%のままでした。電池持ちの体感も購入時から変わっていません。少なくとも私の使い方では、1年目から劣化を心配する必要はなさそうです。
Apple Watchのバッテリーは、フル充電サイクル1,000回を繰り返した後も本来の容量の最大80%を維持できる設計です。ここでいう1サイクルは「充電1回」ではなく、合計で100%分を放電することを指します。たとえば1日で50%使う人なら、2日で1サイクルという計算です。
では、何%になったら交換すべきなのかということですが、Appleは「◯%になったら交換してください」という一律の基準を示していません。80%はあくまでAppleCare+の保証が効くラインであって、「80%を切ったら使えなくなる」という意味ではありません。
目安になるのは、数字よりも日々の使用感です。
- 同じ使い方なのに、1日持たなくなった
- 充電の頻度が明らかに増えた
- 残量があるのに、負荷がかかると突然電源が切れる
こうした症状が出ていて、最大容量も下がっているなら交換を検討するタイミングでしょう。逆に、数字が90%台なら急ぐ必要はありません。
なお、Apple Watchには充電の習慣を学習して満充電を避ける「バッテリー充電の最適化」機能があり、対応モデルでは最初からオンになっています。劣化を遅らせる仕組みなので、オフにせずそのまま使うのがおすすめです。
交換に出す前にやること
交換に出すと決めたら、事前の準備をしておきましょう。やることは次のとおりです。
- 保証状況を確認する
Appleの保証状況の確認ページでシリアル番号を入力すると、AppleCare+の加入状況がわかる。 - iPhoneとペアリングを解除する
解除の過程で最新のバックアップが自動作成され、アクティベーションロックも解除される。 - バンドを取り外す
本体のみを渡す(送る)のが基本。 - 持ち込みの場合は持ち物を用意
ペアリングしていたiPhone、購入証明、本人確認書類があるとスムーズ。
とくに重要なのがペアリング解除です。Apple Watchのデータは、ペアリング中のiPhoneに自動でバックアップされており、ペアリングを解除したタイミングでも最新のバックアップが作られます。交換後の新しい本体でも、このバックアップから復元すれば元の環境に戻せます。
やってしまいがちなのが、Apple Watch単体で「すべてのコンテンツと設定を消去」してしまうこと。この方法ではバックアップが作られないうえ、アクティベーションロックも残ってしまいます。Appleの修理前の準備手順でもロックの解除が求められているので、必ずiPhone側からペアリング解除してください。
もしiPhoneが手元にない場合は、iCloud.comの「探す」からApple Watchを消去し、アカウントからデバイスを削除すればロックを解除できます。
古いApple Watchは交換できないことがある
「古くなったから、そろそろバッテリーを交換して延命しよう」と考えている方は注意が必要です。機種が古いと、正規ルートでの交換を受けられない場合があります。
正規ルートが閉じるのは、Appleが販売終了からの経過年数で修理対応を区切っているためです。区分は2つあります。
- ビンテージ製品(販売終了から5年以上7年未満)
修理は部品の在庫がある場合のみ。しかもApple Watchのビンテージ製品はApple Storeでしか修理を受け付けていない。 - オブソリート製品(販売終了から7年以上)
Appleでのハードウェア修理は終了。正規サービスプロバイダも部品を発注できない。
2026年7月時点のApple Watchの区分は、次のとおりです。
| 区分 | 対象モデル |
|---|---|
| ビンテージ | Series 3(全種)、Series 4(アルミニウム・ステンレス)、Series 5(全種) |
| オブソリート | 初代(全種)、Series 1、Series 2、Series 4(Hermès・Nike) |
出典:ビンテージ製品とオブソリート製品 – Apple サポート
実際、Apple公式のオンライン見積もりでも、機種の選択肢に並ぶのはSeries 6以降・SE・Ultraだけで、Series 5以前はそもそも選べなくなっています。
同じSeries 4でも、素材やエディションで扱いが分かれます。アルミニウムとステンレスはビンテージ(Apple Storeで交換できる可能性が残っている)なのに、HermèsとNikeはオブソリートで正規修理の対象外。「Series 4だから大丈夫」とはひと括りにできません。
オブソリートに該当する機種は、正規ルートが閉じているため、交換するなら非正規かDIYしか残されていません。ただ、先述のリスクに加えて、そこまで古い機種は最新のwatchOSにも対応していないはずです。交換費用をかけるより、買い替えを検討したほうがよいでしょう。
なお、正規サービスプロバイダの料金表には「Series 3受付」の記載が残っていることがあります。Appleの現行区分では「ビンテージ品の修理はApple Storeのみ」のはずなので、表記が食い違っている状態です。Series 3〜5をお使いの方は、持ち込む前に店舗へ受付可否を確認してください。
交換と買い替え、どっちが得?
バッテリー交換の15,800円〜19,100円という金額を見て、「その金額を出すなら、いっそ買い替えたほうがいいのでは?」と迷う方も多いはずです。
判断材料として、現行モデルの新品価格と並べてみましょう(2026年7月時点)。
| 選択肢 | 金額(税込) |
|---|---|
| バッテリー交換(正規) | 15,800〜19,100円 |
| Apple Watch SE 3(新品) | 41,800円から |
| Apple Watch Series 11(新品) | 71,800円から |
| Apple Watch Ultra 3(新品) | 142,800円から |
交換費用は、SE 3の新品価格の約4割、Series 11の約4分の1です。単純な金額だけ見れば、交換のほうがずっと安く済みます。
そのうえで、判断の分かれ目は「その機種を、あと何年使うつもりか」の一点です。
交換が向いている人
- 使っている機種が比較的新しく、watchOSのサポートがまだ続きそう。
- バッテリー以外に不満や故障がない。
買い替えが向いている人
- 機種が古く、最新watchOSのサポートから外れている(または近々外れそう)。
- 画面割れなど、バッテリー以外の損傷もある(別料金になり、修理費がかさむ)。
- ビンテージ・オブソリート入りしていて、そもそも正規で交換できない。
watchOSのサポートが残り1〜2年の機種に約2万円をかけるのは、正直もったいないです。その場合は、Apple Watchを安く買う方法や中古Apple Watchの選び方を参考に、買い替えを検討してみてください。古い機種はApple Trade Inで下取りに出して、買い替えの足しにする手もあります。
まずは最大容量と保証状況の確認から
最後に、本記事のポイントを振り返っておきます。
迷ったら、まずは「設定」>「バッテリー」>「バッテリーの状態」で最大容量を、保証状況の確認ページでAppleCare+の加入状況を確認するところから始めてみてください。
よくある質問
バッテリー交換にはどれくらい日数がかかる?
店頭持ち込みの場合、クイックガレージで3〜7日、カメラのキタムラで2〜10日が目安と案内されています。その場で交換されるわけではなく、リペアセンターへの送付を含むためです。Appleの配送修理は固定の日数が公表されていませんが、集荷から5日で戻ってきたという報告例があります。
非正規店で交換すると、その後Appleで修理できなくなる?
必ず修理できなくなるわけではありません。ただし、Appleの規約では、無許可の修理に起因する損傷はAppleCare+や限定保証の対象外とされています。また、非正規修理後の個体は、公式修理の可否や見積もりが変わる場合があります。将来も正規サポートを使いたいなら、非正規修理は避けたほうが無難です。
交換するとデータは消える?
本体ごと交換になっても、データは戻せます。Apple Watchのデータはペアリング中のiPhoneに自動バックアップされており、ペアリング解除時にも最新のバックアップが作成されます。戻ってきた本体(または交換品)をiPhoneとペアリングし、バックアップから復元すれば元どおりです。
あとからAppleCare+に入って無料交換を受けられる?
できません。AppleCare+に加入できるのは、原則として本体の購入日から30日以内です。バッテリーの劣化を感じてから加入する、という使い方はできないので、加入するかどうかは購入時に決めておく必要があります。
交換後の保証はどうなる?
Appleの修理サービスには、修理日から90日間、または元の保証の残り期間のどちらか長いほうの保証が付きます。受付店舗によって案内が異なる場合があるので、正確な保証内容は申し込み時に確認しておくと安心です。