【iPhone Ultra】折りたたみスマホの先行機を1年使った人が挙げる弱点とは

Appleは日本時間9月10日午前2時に特別イベントを開催します。

海外メディアやアナリスト、リーカーの既報では、このイベントでApple初の折りたたみiPhoneが発表されるとされており、価格は直近の予測で2,299〜2,500ドル帯と見込まれています。

折りたたみスマートフォン自体は、SamsungやGoogleがすでに何世代も発売してきました。ただ、スマートフォン全体に占める折りたたみの割合は、日本では2025年度、世界では2025年の実績で、どちらも1%台にとどまります。先行する機種を1年使った人のレビューと、国内外の市場データや購入意向調査を整理してみると、折りたたみiPhoneを検討する前に知っておきたいことが見えてきました。

折りたたみは世界で1.4%、日本で1.1%にとどまる

MM総研によると、2025年度に日本で出荷された折りたたみスマートフォンは33.4万台で、スマートフォン全体の1.1%でした。世界でも2025年は1,720万台で、全体の1.4%です。同社は、全体に占める比率が1%台で「停滞感は否めない状況」だとしています。

日本の内訳は、サムスンが67.7%で1位。以下モトローラ、グーグル、ZTEと続き、この4社で100%になります。

ただし、MM総研の今後の予測は上向きで、折りたたみiPhoneの登場を織り込んだ数字になっています。同社は日本の折りたたみ出荷を2026年度に76万台(全体の2.6%)、2027年度に102万台(3.6%)と予測しています。

MM総研がまとめた国内折りたたみスマートフォン出荷台数の推移と2030年度までの予測のグラフ
MM総研より

IDCの予測では、Appleは2027年までに1,700万台超の折りたたみiPhoneを出荷し、世界の折りたたみ市場の約40%を占めます。平均販売価格は2,550ドル超で、カテゴリー全体の価値の半分以上をAppleが占めるとしており、「Appleがいなければ折りたたみは二桁減」とも書いています。

IDCによる折りたたみスマートフォン市場のOS別シェア予測(2025〜2027年)の積み上げ棒グラフ。iOSが2027年に約40%
IDCより

買いたくない理由の1位は「メリットがわからない」

購入意向の調査も出ています。

MM総研が2026年7月に15〜69歳の1,084人に行った調査では、折りたたみを使ったことがない人のうち「購入したい」は10.0%、「検討したい」は41.9%、「購入したくない」は48.1%でした。使ったことがある人では「購入したい」が23.2%に上がります。

「購入したくない」理由の1位は「折りたたみのメリットがわからない」で41.7%。以下、端末価格が高い、故障しやすい、サイズが大きい・重い、操作性が悪い、欲しいメーカーの端末がない、の順でした。

米国では関心の有無を聞いた調査があります。米CNETがYouGovに委託し、8月13〜17日に成人2,605人に行った調査では、75%が折りたたみのiPhoneやApple製品を買うことに関心がないと答えました。払ってもいいと思う金額の平均は781ドルで、iPhone 17の799ドルを下回ります。CNETはこの数字を、アナリストが予測する2,000〜2,500ドルという価格と並べて紹介しています。

Galaxy Z Fold 7を1年使って困ったのは電池持ちだった

では、実際に折りたたみを使った人は何を言っているのか。

Samsungが8月7日に発売したGalaxy Z Fold8は、閉じた状態で厚さ約9.7mm・重さ約201g。内側は約7.6インチ、外側は約5.5インチの画面で、日本のSIMフリー版は269,880円から、米国では1,900ドルからです。

発売直後の評価は高く、米メディアのAndroid Policeは10点満点の9点でEditor's choiceを付けました。開いても閉じても使えること、ヒンジ、折り目がほぼ見えないこと、軽さが長所で、短所にはカメラが平均的なことを挙げています。

屋外のベンチに開いた状態で自立させたGalaxy Z Fold8。内側の約7.6インチ画面にホーム画面を表示
Galaxy Z Fold8(Tom's Guideより)

一方、前モデルのGalaxy Z Fold 7を1年使った人の評価は違います。Android専門メディア9to5Googleのレビューです。

いちばん困ったのは電池持ちだったとのことで、メインの端末として使うと、寝る前に10%残っていればいいほうで、モバイルバッテリーを持ち歩くのが常になったといいます。Fold 8世代の4,800mAhでも足りるとは思えない、というのが本人の感想です。

発熱も課題に挙がりました。米ノースカロライナの夏(36〜38℃前後)で使った前提ですが、Fold 7は日常使いで早く温まり、「ポケットの中のカイロ」だったとしています。

カメラは「2,000ドルのスマホとして良くない」という評価でした(同メディア)。Fold8の背面カメラは広角と超広角の2眼で、どちらも5,000万画素。望遠はなく、2倍ズームはメインカメラの画像を切り出したものになります(上位のFold8 Ultraには光学3倍の望遠があります)。

価格に対してカメラ構成が弱いという指摘はPixel 10 Pro Foldにもあり、同機を6か月使った9to5Googleのレビューでは、カメラは実質ミドルレンジ構成で「Pixel 10aなら3分の1の値段でほぼ同じことができる」と書かれています。同じ機種を1年使った米メディアのAndroid Centralも、最大の不満はカメラだとしています。

色紙を重ねた背景に半開きで立てたPixel 10 Pro Fold
Pixel 10 Pro Fold(Android Centralより)

内側の大画面に最適化されていないアプリが多いことも、6か月レビューの指摘です。RedditやInstagramはスマホ用レイアウトを引き伸ばすだけで、ブラウザで開いた方が体験が良いといいます。これはAndroidアプリの話で、iOSのアプリ対応とは別です。同レビューの結論は、折りたたみはニッチ製品で、発売から6か月で値引きが出て勧めやすくはなったものの、大幅な割引でもない限り勧めやすい端末ではない、というものでした。

折りたたみiPhoneについても、Apple専門メディアの9to5MacはiPhone 18 Proのほうが勝る点として、可変絞りのメインカメラ、Pro Maxのバッテリー、Face ID、望遠カメラの4つを挙げています。いずれも未発表の噂が根拠です。

折り目と防塵は機種ごとに評価が分かれる

「故障しやすい」という不安については、折り目・防塵・保険の3つを見ておく必要があります。

Fold8の折り目は、10日間の開閉でほぼ見えず変化もなかったという評価(Android Police)と、日常使いで1週間使ううちに見えるようになったという評価(米Tom's Guide)に分かれています。後者は「どんなに折り目がない画面でも、折り続ければ折り目はできる」と書いていますが、別の個体を別の人が見た結果で、どちらかが間違いというものではありません。

数日使用したGalaxy Z Fold8を開いて手に持ち、消灯した内側画面の中央に縦の折り目が見えている写真
数日使用したGalaxy Z Fold8(@nieantyfan氏(X)より)

Pixel 10 Pro Foldについては、6か月使った9to5Googleのレビューで、折り目は今もはっきり見え、消えることはなく「気にしないようにするか、気になり続けるかのどちらかだ」という評価。一方、1年使ったAndroid Centralは、開閉を重ねても折り目は変形せず、ヒンジの動きも初日と同じだとしています。折り目はわかるものの、悪化はしないというものです。

8月12日に発表されたPixel 11 Pro Foldでも、折り目は「あるにはある」という程度で前世代から大きくは変わっていないというのが9to5Googleの評価でした。折りたたみiPhoneについては、Ming-Chi Kuo氏が「折り目のない内側画面」になると予測しています。

防塵の規格は機種で異なります。Fold8の防水防塵はIP48で、Samsungは「日常の不意な水濡れやハプニングからデバイスを守る」と説明していますが、4は直径1mm以上の異物に対する保護で、細かい埃や砂には対応しません。分解修理サイトのiFixitが分解にあわせてUV粉末と砂をヒンジに入れて開閉したところ、ヒンジがひどい軋み音を立てて正常に開かなくなりました。IP認証の試験ではなく、粉末も一般的な砂より細かいものです。

一方でiFixitは、電池や基板のまわりは粉塵が入り込んでおらず「驚くほどきれいだった」として、問題をヒンジだけとみています。Samsung自身も、ヒンジに埃や砂を近づけないよう警告しています。Pixel 11 Pro FoldはIP68で、9to5Googleの見るところ、IP68に対応する主要な折りたたみはPixelだけです。

iFixitが分解したGalaxy Z Fold8の内部。ヒンジ周辺に入り込んだUV粉末が紫外線ライトで青く光っている
ヒンジ周辺に入り込んだUV粉末が紫外線ライトで青く光っている(iFixitより)

保険については、Fold 7を1年使った9to5Googleのレビュアーが、ケースを使わない自分の使い方を説明するなかで「保険なしでこの手の端末を持つことは、誰にも絶対に勧めない」と書いています(米国の端末保険が前提)。日本のGalaxy Careを見ると、Fold8の256GBは月1,300円または2年一括26,990円で、サービス利用時の自己負担は1回目が15,400円。Galaxy S26の256GBは月660円・自己負担9,900円なので、保険料は約2倍で、自己負担も15,400円と9,900円で差があります。新品のSIMフリー端末を初回起動から30日以内に申し込む条件です。

電池持ち、発熱、カメラ、折り目、防塵。先行する折りたたみのレビューが挙げたこれらの点を、Appleがどう扱ってくるのか。折りたたみiPhoneが9月10日午前2時のイベントに登場するのかどうかも、まだ確定はしていません。答えはAppleの発表を待つことになります。イベントで発表が見込まれる製品は「Apple 9月イベントで何が出るかのまとめ」で整理しています。

価格は2026年8月28日時点のものです。

Source:MM総研IDCCNETSamsungGoogleAndroid Police9to5GoogleAndroid CentralTom's GuideiFixit9to5MacApple

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