Apple、Vision ProやSiri関連の約200ポジションを削減か。軸足はスマートグラスとAIへ

Apple、Vision ProやSiri関連の約200ポジションを削減か。軸足はスマートグラスとAIへ

AppleがVision ProやSiriを担当するチームで人員削減を進めていると、米Bloombergが報じました。全体で約200のポジションが対象とされています。

Appleも声明で「ユーザーに最高の体験を提供するために事業を進化させ続ける中で、チームの一部を再編成しています」とコメントし、新しいポジションを作ることにも触れています。実際に何人が減るのかは明らかになっていません。

Bloombergが削減の対象として伝えているのは、Vision Proのゲーム、没入型ビデオ、Siri、ソフトウェア部門のAI機能の一部をそれぞれ担当する4つのチーム。単に人を減らすのではなく、Vision Pro関連の縮小と、スマートグラスやAIへの集中が同時に起きているようです。

Vision Proのゲームと映像のチームは縮小へ

Vision Proでは、ゲームチームが大部分廃止され、没入型ビデオを作るチームも縮小されると伝えられています。この報道の前日にも、Vision Pro関連の部門で少なくとも60人の削減があったと報じられていました。

BloombergのMark Gurman氏によると、没入型ビデオには1エピソードあたり数百万ドルの制作費がかかる一方、Vision Proはゲーム機としては浸透しなかったとのこと。調査会社IDCの推計でも、2024年の出荷台数は39万台にとどまっています。

ただし、自社制作の没入型ビデオは数を絞って続け、外部の制作会社による参入を促す方針のようです。

Appleは従業員に対して「Vision ProとvisionOSがなくなることはない」と説明したとも報じられており、製品と基本ソフトの提供は続くとみられます。

次のモデルの見通しは割れています。手頃な価格の軽量版は今年5月に開発中止と報じられました。

Appleのサプライチェーン予測で知られるアナリストのMing-Chi Kuo氏は、後継機の計画はスマートグラス2機種の開発に置き換えられたとみています。一方でGurman氏は、早ければ2028年末の新型を今も検討していると伝えています。完全な中止とまでは言えない状況です。

後継機の行方が定まらない一方で、当面の方向は見えています。Appleが従業員への説明で重点に挙げたのは、スマートグラスの投入だったと伝えられています。

このスマートグラスは、今回削減の対象になった没入型ビデオや本格的なゲームには対応しないとされています。Appleの開発の中心は、VRから、AIを組み込んだ新しいタイプのデバイスへ移りつつあるようです。

日本では、現行のM5搭載モデルが649,800円から販売されています(8月22日時点)。米国では6月に3,499ドルから3,699ドルへ値上げされましたが、日本の価格は発売時から変わっていません。

購入を検討している方にとっては、Appleが自社で作るコンテンツが当面増えにくくなる可能性は知っておいたほうが良さそうです。

Siriの人員削減はSiri AI開発に向けた再編か

Gurman氏によると、Siriチームの変更は、新しいアシスタント「Siri AI」の設計に合わせて担当を調整するためのもの。少数のポジションを廃止して人員を配置し直し、刷新後のSiriを支える担当を新しく置く、という内容です。ソフトウェア部門のAIチームの変更も、複数の製品で使う新しいAI機能の開発を加速するためとのことです。

Appleは声明で、削減対象になった従業員に社内のほかのポジションへ応募する機会を用意するとしています。

Siri AIについてAppleは、年内に英語でベータ版を提供すると発表しており、対象OSにはvisionOS 27も含まれます。この予定に現時点で変更は確認されていません。日本語での提供時期はまだ発表されていません。

Appleでは2024年にも、自動車プロジェクトの中止などに伴う人員削減がありました。カリフォルニア州への届け出によれば614人が対象でしたが、このときも一部の従業員は社内のほかの部門へ移り、社内応募の期間が設けられました。

今回の声明も社内での再応募に触れており、VR関連の人員をAIと新しいデバイスの開発へ集め直す再編と読めそうです。

Siri AIの英語ベータは年内の予定です。スマートグラスは2027年のWWDCで発表されるとの報道も出ています。再編の結果は、9月1日に就任する新CEOのジョン・ターナス氏の体制で見えてくることになりそうです。

参考:BloombergX(Mark Gurman)Apple

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