iPhone Ultraに載る3つと載らない5つ。折りたたみの完成度を優先し、望遠とFace IDは見送りか

iPhone Ultraに載る3つと載らない5つ。折りたたみの完成度を優先し、望遠とFace IDは見送りか

Appleは、9月9日午前10時(太平洋時間)にスペシャルイベントを開催します。日本時間では9月10日の午前2時です。

招待状に製品名はありませんが、海外の報道では、iPhone 18 Proシリーズと、Apple初の折りたたみiPhoneが発表される見込みです。折りたたみモデルは、Apple社内で皆が「Ultra」と呼んでいるとBloombergのMark Gurman氏がXに投稿しています。

価格については、アナリストの予測が割れたままです。256GBで約2,000ドルからとする予測が多い一方で、2,300〜2,500ドルとする予測もあります。

これまでの噂を整理してみると、iPhone UltraはiPhoneの全部入りではなく、折りたたみとしての完成度を優先したモデルになりそうです。

開いた状態で4.5〜4.8mmの薄さか

iPhone Ultraは、開いた状態で4.5〜4.8mm、閉じた状態で約9.5mmになると伝えられています。iPhone Airの5.6mm(カメラ台座を除く)より薄く、開いた状態ではiOSデバイスとして最薄になる見込みです。

この薄さに収まるバッテリーについては、部品メーカーが1,921mAhと2,962mAhの2つの電池を規制当局に申請したという情報を、リーカー・Digital Chat Stationが7月に伝えました。合計すると4,883mAhです。ただし元の投稿では4,883mAhは最小値で、iPhone Ultra向けかどうかは要確認とされています。折りたたみスマホの現行機では、Galaxy Z Fold7が4,400mAh、Pixel 10 Pro Foldが5,015mAhです。

2つの電池を搭載する構成は、iOS 27 beta 4のコードで見つかった「複数のバッテリーを持つiPhone」向けの文字列とも一致します。もっとも、コードが裏づけるのは複数電池の機種が用意されていることまでで、容量や、それが折りたたみ機であることまでは分かりません。

チップはA20 Pro(2nm)と自社製のC2モデムを搭載する見込みで、UBS、アナリストのJeff Pu氏の仕様表、Gurman氏の報道が一致しています。電池持ちについては、iPhone 18 Pro MaxほどではないにせよA20 ProとC2の効率で十分だろう、という海外メディアの見立てもあります。冷却には、ベイパーチャンバーを載せるという投稿をリーカー・Fixed Focus Digitalが6月にしていました。台湾では昨年11月の時点で、市場の一般的な見方として供給元の名前が挙がっていました。

折り目は「見えない」レベルに?

折りたたみスマホでまず気になる画面中央の折り目は、初代から目立たない水準を実現するだろうと言われています。

2月の時点で、折り目の深さは0.15mm未満、角度は2.5度未満に抑えられていると、同じくFixed Focus Digitalが伝えていました。5月には、試作段階の試験結果として「視覚的に折り目のない状態を、長期的な安定性を伴って達成した」という投稿も、別のリーカー・Instant Digitalから出ています。

折りたたみiPhoneのものとされるダミーユニット。左は背面の2眼カメラ、右は開いた状態の内側画面で、中央にヒンジの線が見える
Sonny Dickson氏(X)より

折り目を消す技術としてよく語られるのが、光学透明粘着剤(OCA)と極薄ガラス(UTG)です。粘着剤が画面の微細な凹凸を埋めて光の散乱を減らすことで、折り目が見えにくくなります。これは調査会社のTrendForceが2026年の折りたたみ画面全般の話として挙げているもので、iPhone Ultraの構成として述べたものではありません。

それでも完全にゼロというわけではなさそうで、特定の角度や照明の条件では、ごく薄い折り目が見える可能性も伝えられています。競合メーカーは折り目の実測値を公表していないため、0.15mmという数字が他社と比べてどの程度なのかは分からず、実機で確かめるしかありません。

ヒンジは耐久性の評価が先に出たか

ヒンジは、材質をめぐる噂が割れたままです。

発端は2025年3月、Apple関連のサプライチェーンに詳しいアナリストのMing-Chi Kuo氏が、Appleは折りたたみiPhoneのヒンジにリキッドメタル(ダイキャスト製法)を採用し、耐久性の向上と折り目の低減を狙うと予測したことでした。Appleは2010年にLiquidmetal Technologiesと契約を結び、消費者向け電子機器分野での独占的な実施権を得ています。これまではSIMピンなどの小さな部品に使ってきたものの、重要な機構部品での本格採用は初めてになる、というのがKuo氏の見立てでした。

今年6月には「Appleはリキッドメタルのヒンジを選んだ」というリーカーの投稿も出ました。一方で7月には、複数の業界関係者が初代の折りたたみiPhoneにリキッドメタルのヒンジは採用されていないと述べ、供給元と目された宜安科技も「まだ受注していない」と回答したことを、中国の経済メディア・財聯社が独自取材で報じています。さらに、ヒンジは台湾の新日興と米Amphenolが供給する3Dプリントのヒンジモジュールだという報道も、韓国の業界メディア・The Elecから6月に出ました。

材質とは別に、開閉の信頼性について、5月の時点で長時間・高頻度の開閉のあとにヒンジの信頼性がAppleの品質管理基準に届かない、という投稿が、折り目の話と同じリーカー・Instant Digitalから出ていました。

ところが6月の3Dプリントヒンジの報道は、開発中に「数百万回の耐久試験でヒンジからわずかな異音」「一部の組立工程で公差が想定より大きく不良率が上昇」という問題があったものの、現在はおおむね解決したとも伝えています。

そして8月には、すでに実機を使ったApple社外の人たちが、ヒンジ機構の感触と耐久性、ポケットへの収まり、iPad風のアプリ配置を評価しているとGurman氏が伝えました。材質には触れていませんが、開閉の手応えについては良い評価が出ています。

Face IDは側面ボタンのTouch IDに置き換わるか

載らないとされる5つのうち、Face IDと物理SIMは「薄さゆえの代償」という文脈で語られています。

iPhone Ultraは顔認証ではなく、側面ボタンに内蔵したTouch IDを採用する見込みです。Kuo氏、UBS、Gurman氏、Jeff Pu氏の予測が一致していて、理由についてはKuo氏が「貴重な内部スペースを節約するため」と説明し、Gurman氏側は薄さの要件からFace IDに必要なTrueDepthカメラが収まらないためとしています。

物理SIMも同じ理由です。折りたたみiPhoneは超薄型設計のためおそらくeSIMのみの対応になる、とKuo氏は2025年1月の時点で予測していました。Gurman氏も2025年8月に、折りたたみiPhoneは全モデルでSIMカードスロットを持たないと伝えています。

望遠カメラについては理由の説明はないものの、非搭載の予測で一致しています。背面は48MPの広角と48MPの超広角の2眼で、望遠は載らない見込みです。この構成は2025年7月のUBSのレポートが先に伝え、今年1月のJeff Pu氏の仕様表、8月のGurman氏の報道まで変わっていません。1年前の時点では、Gurman氏も2つ目のカメラが超広角か望遠かは不明としていましたが、今年1月以降は望遠なしで予測が固まりました。

消音スイッチのない初のiPhoneに?

アクションボタンとMagSafeについては、iPhone Ultraでは採用されないかもしれません。

アクションボタンは、2月にリーカー・Instant Digitalが「左側面は滑らかで、ボタンが一切ない」「Touch IDの電源ボタンとCamera Controlは右側面のまま」「音量ボタンは上端の右寄り」と発信していました。

4月に出回ったダミーユニットにも電源と音量は見えるのにアクションボタンは見当たらず、5月にアクセサリメーカーが掲載したケースにも、カメラ2つとCamera Controlの切り欠きはあるのにアクションボタン用の切り欠きはありません。文章リーク、ダミー、ケースの三者が同じ設計データに由来している可能性は残るものの、姿は一致していて、消音スイッチを持たない初のiPhoneになることを示唆しています。

折りたたみiPhone用とされるiFunSmartのケース。背面カメラ2つとCamera Control用の切り欠きはあるが、アクションボタン用の切り欠きは無い
iFunSmartより

MagSafeのほうは根拠が弱めで、ダミーの背面に磁石配列用のくぼみが無いことがすべてです。iPhone 18 Proのダミーにははっきりとくぼみがあるので対比で語られていますが、この点は憶測の域を出ない、とダミーの写真から非対応を読み取った側も断っています。

iPhone Ultraとされる金属ダミー(左)とiPhone 18 Pro/Pro Maxのダミー(中央・右)の背面比較。Pro側にはMagSafe用の円形のくぼみがあるが、折りたたみ側には無い
Vadim Yuryev氏(X)より

一方で、流出したケースには、MagSafe用の円形の切り欠きとN52磁石が組み込まれていました。ケース側の磁石は外付けのアクセサリを吸着させるためのもので、本体にMagSafeがあることの証拠にはなりません。それでも、磁石入りのケースはすでに用意されつつあります。

発売時期については、各予測が重なるのは「9月に発表」までで、予約と販売がいつ始まるかは割れたままです。米国先行の報道はあるものの、日本が初回の発売国に入るかは、どの予測もまだ触れていません。

参考:Apple9to5MacMacRumorsX(Mark Gurman)Medium(Ming-Chi Kuo)TrendForce財聯社

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