Appleが9月のイベントで、新しいSiri「Siri AI」の機能や提供時期を紹介しました。
Siri AIは、次世代のApple Intelligenceを基盤にするアシスタントです。6月のWWDC26で発表されました。利用者は、メールやメッセージから自分に関係する情報を探してもらったり、見ている画面について質問したり、使っているアプリの操作を頼んだりできます。
9月15日に英語から提供が始まる予定で、基調講演では日本語への対応を10月に予定していると案内されました。何ができるようになり、どの製品で使えるのか。今回の発表とAppleの公式情報からまとめます。
メールやメッセージを横断して探し、アプリを操作
Siri AIの特徴のひとつが、利用者に関係する情報を理解する「パーソナルコンテクスト」です。
複数のアプリにあるメッセージやメール、写真などから、質問に関係する情報を見つけます。一般的な知識に関する質問に加え、自分が受け取った情報についてもSiriに聞けるようになります。

また、ほぼすべての回答に続けて追加の質問ができるのも特徴です。答えを受け取って終わるだけでなく、さらに知りたいことを会話の中で掘り下げられます。
Siri AIは情報を探すだけでなく、Apple製アプリや他社製アプリの操作にも対応します。今回の基調講演では、Outlookでメールを下書きする、Notabilityで課題を探す、Tripsyにレストランを追加するといった例が紹介されました。WhatsAppでのメッセージ送信や、Audibleでの本の再生も可能です。
Appleによると、Siriは30万を超えるアプリと連係するとのこと。ただし、どのアプリでもすべての情報を探せたり、あらゆる操作を任せられたりするわけではありません。
他社製アプリの内容を検索対象にするには、アプリ側が端末内の検索機能「Spotlight」で探せるように情報を登録する必要があります。操作についても、アプリが「App Intents」などの仕組みでSiriに公開した内容が対象です。実際にできることは、各アプリの対応によって変わります。
画面やカメラに映ったものについて質問できる
Siri AIは、画面に表示されている内容を、幅広い分野の最新の知識と組み合わせて質問に答えます。自分が見ているものをSiriにも見せて、その内容について聞く使い方です。
さらに、iPhoneのカメラアプリには「Siriモード」が組み込まれます。目の前のものについて質問できるほか、カメラに映した内容をもとにアクションを実行できます。
基調講演で紹介されたのは、複数の予定をカレンダーへ一度に追加する使い方です。カメラに映っている予定の情報を読み取り、Siriがカレンダーに登録します。

文章の作成・編集にも対応。会話はSiriアプリで再開
iPhoneでは、ほかのアプリを使っているときも、音声や文字入力でSiri AIと会話できます。文字を入力できるほぼすべての場所で、文章の作成・編集も可能です。
標準の仕組みを使ったテキスト入力欄は自動的に対応しますが、独自の入力欄を使うアプリでは開発者による対応が必要です。

過去のやり取りを振り返りたいときには、専用のSiriアプリを使えます。よく使う会話はピン留めして開きやすくでき、新しい会話も始められます。
会話履歴はiCloudを通じてApple製品間で同期されるため、iPhoneで始めた会話をiPadなど別の対応製品で再開できる仕組みです。Appleは、この同期でもプライバシーを保護すると説明しています。

今回発表されたiPhone Duoでは、一方の画面でアプリを開き、反対側の画面でSiri AIと会話する使い方も用意されています。
日本は英語から。日本語は基調講演で10月と案内
Apple日本のiOSページによると、iOS 27は9月15日に登場し、Siri AIは英語から対応を始めます。Siri AIはベータ版としての提供です。
日本語については、基調講演と米国Newsroomで10月対応予定と案内されました。同じタイミングでフランス語、韓国語、ポルトガル語、スペイン語にも対応する予定です。
ただし、9月10日時点でApple日本のiOSページや機能ページは、日本語対応を「年内」という表現で案内しています。また、iOS 27の提供日は、米国Newsroomと日本語のiPhone Duo発表記事では9月14日と記載されています。日本向けのiOSページでは9月15日です。
Apple Intelligence全体では9月のOSリリースで16言語に対応しますが、Siri AIが同じ言語すべてに対応するわけではありません。日本語でApple Intelligenceを利用していても、Siri AIを日本語で使うには対応を待つ必要があります。
利用の条件は、対応端末で最新のソフトウェアを使い、Apple Intelligenceを有効にしていることです。デバイスの言語とSiriの言語も、同じ対応言語に設定します。
iPhone 15 Pro以降の対応機種で利用可能
Siri AIは、今回発表されたiPhoneだけの機能ではありません。Appleが案内する対応製品は以下のとおりです。
| 製品 | Siri AIの対応機種 |
|---|---|
| iPhone | iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、iPhone 16以降 |
| iPad | iPad mini(A17 Pro)、M1以降を搭載したiPad |
| Mac | MacBook Neo(A18 Pro)、M1以降を搭載したMac |
| Apple Vision Pro | Apple Vision Pro |
| Apple Watch | Apple Watch Series 9以降、Apple Watch Ultra 2以降、Apple Watch SE 3 |
Apple Watchで利用するには、Apple Intelligenceを有効にした対応iPhoneとペアリングし、そのiPhoneが近くにある必要があります。
また、Siri AIに対応するiPhoneと組み合わせれば、AirPodsの全モデルでSiri AIをハンズフリーで呼び出せます。iPhone側では、Apple Intelligenceの有効化と対応言語の設定が必要です。
対応する製品でも、すべての地域で使えるわけではありません。EUでは当初、iPhone、iPad、Apple WatchでSiri AIを利用できません。一方、MacとApple Vision Proは対応言語に設定すると利用できます。中国では、Appleが規制上の要件に対応している間は利用できないとのことです。
表現豊かな声は対応機種と言語が限られる
Siri AIでは複数の声から好みのものを選び、話すペースや表現の豊かさを調整できます。Appleは、iPhone 18 Proでは端末上で動くAIモデルが「表現豊かな声」を生成すると説明しています。
ただし、「表現豊かな声」に対応する機種や言語は、Siri AI全体に比べて少なくなっています。9月10日時点の機能提供状況では、英国英語と米国英語が対象です。
iPhoneでは、iPhone 18 Pro/18 Pro Max/Duo、iPhone 17 Pro/17 Pro Max、iPhone Airが対応します。
iPadではM4以降かつメモリ12GB以上、MacではM3以降かつメモリ12GB以上、Apple Vision ProではM5搭載モデルが必要です。Siri AIが使える製品でも、この声を利用できるとは限りません。
サーバを使う機能には1日あたりの利用制限
Siri AIのうち、端末の外にあるサーバ上のAIで処理する機能には1日あたりの利用制限があります。
具体的な回数は公表されていません。Appleによると、利用枠は機能や依頼内容の複雑さ、システムに寄せられる利用要求の多さ、運用方針などによって変わります。
Apple Intelligenceの利用上限に達すると、対象機能が一時的に使えなくなったり、一部の動作が制限されたりします。上限がリセットされるか、所定の時間が経過すると、再び利用できる仕組みです。
Appleは、ほとんどのiCloud+プランでサーバモデルを使う機能の利用枠が増えると説明しています。また、サポートページでは、Siri AIを含むサーバ機能の利用枠拡大を2027年のソフトウェアリリースから提供し、将来有料になると案内しています。
iCloud+による増枠と将来有料になる利用枠拡大との関係は、明確になっていません。iCloud+でSiri AIの利用枠が増える対象プランや増加量、開始時期も不明です。
個人の情報はどう扱われる?
メールや写真の内容まで扱うSiri AIでは、データをどこで処理するのかも気になるところ。
基盤となるApple Intelligenceは、可能な場合には端末上で処理し、より複雑な処理には「Private Cloud Compute」を使います。これは、端末だけでは処理しきれない依頼をクラウドで扱うための仕組みです。

Appleは、Private Cloud Computeに送られるのは依頼に関係するデータだけで、用途はその処理に限られ、処理後は削除されると説明しています。利用者のデータはAppleやほかの第三者も閲覧できず、応答後は誰もそのデータにアクセスできない設計だとしています。