Metaは今年6月、WhatsAppで企業の返信を支援するAI「Meta Business Agent」を発表しました。すでに100万社超がWhatsAppとMessengerで使っているとしています。
公式に案内されているこのAIの働きはテキストのチャットでの応対で、発表にも音声通話の話は出てきません。ところが、iOS向けの最新ベータのコードから、通話にも広がることをうかがわせる注意書きが見つかりました。
AIを使う企業への通話はMetaが受け取り、AIが聞いて応答か
見つけたのは、MacRumorsのアナリストaaronp613氏。iOS向けの最新WhatsAppベータのコードに、次の注意書きが追加されたと投稿しています。
- AIを使う企業に電話をかけると、WhatsAppの親会社であるMetaが通話を受け取る。MetaはAI機能を有効にするため、およびMetaのAIを改善するために通話にアクセスできる
- 通話であなたが話したことをAIが聞き取り、録音し、それに応答する。Metaはこのためにサービスプロバイダーを使うことがある。ユーザーは通話をいつでも終了できる
- AIの応答は不正確または不適切な場合がある
あくまでコードの中に残る文字列の発見で、機能が動いていることが確認されたわけではありません。
個人のメッセージと通話はエンドツーエンド暗号化されていて、WhatsAppやMetaを含めて、やり取りの当事者以外は誰も読んだり聞いたりできない、と公式ヘルプページでは強調されています。
チャットでは既に始まっている仕組み
企業がMetaのAIに返信を支援させると、そのチャットはMetaに送られ、AIの品質改善と返信の生成に使われます。つまりMetaが中身を読める状態になるので、当事者以外は誰も読めないというエンドツーエンド暗号化の保護は、その企業とのメッセージには付きません。
そうしたチャットには「AI from Meta receives chats to improve AI quality and generate messages for this business」の一文が表示され、AIが作ったメッセージには「AI」の印が付きます。「AIが生成したメッセージは、正確でなかったり適切でなかったりする場合がある」という注記もあり、ベータの文言の最後の一文と同じ趣旨です。

企業との通話そのものは、Metaが2025年7月にWhatsApp Business Platformの通話・音声機能として発表済みです。その2025年7月の発表でMetaは、これが「将来のAI対応の音声サポートへの道を開く」と書いていました。
Business Agentを今使えるのは、一部の国・地域にある対象企業だけです。WhatsApp for Businessの製品ページは、ほかの国・地域でも近く提供を始めると案内しています。日本が含まれるかは示されておらず、またWhatsAppの利用者自体も多くありませんが、企業に電話をかけるとAIが出て、そのままAI相手に用件を済ませるというやりとりは、日本でももっと一般的になっていくのかもしれません。